補助金に採択される事業者3つの特徴

経営の姿勢

 当然のことですが、補助金に申し込む事業者は、採択される側と採択されない側に分けられます。そして、採択される側になりたければ、【採択されるべき】行動をとる必要があります。

 本年3月31日に「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」の1次公募が締切になり、現在は2次公募が開始されています。

 これら補助金の1次公募は、公募要領の発表から締切まで3週間というタイトな日程でしたが、これら補助金の申し込みに関する支援のご依頼を数社から承り、期日までの申請を済ませることができました。

 この補助金の申し込み支援を行うと、必ずと言っていいほど思い出す事業者があります。この事業者は「ものづくり補助金」にめでたく採択されたわけですが、振り返ってみるとまさしく【採択されるべき】行動をとっていました。今回のコラムでは、この事例を通じて補助金に採択される可能性の高め方を見ていきます。

補助金に採択される事業者の特徴1:丸投げしない

 補助金は、財源が税金ですから、補助金を支払うことによって、収益性を向上させ、【さらなる納税が可能となる計画書】の作成が必要です。そこで、補助金の申し込みに関するご支援は、この計画書を完成させるべく、面談を重ねて計画書のブラッシュアップをしていきます。

 さて、今回の事例企業であるA社は当時従業員16名、埼玉県内の地方都市に所在しています。「ものづくり補助金」に応募するにあたり、支援のために幾度かご面談を重ねましたが、A社社長は、弊社に作成を丸投げすることは一切ありませんでした。

 A社社長は、弊社が作成した計画書をしっかりと読み込み、中身を吟味し、何度も加筆・修正をしました。結果として、今後自社が【実際に出来ること】だけを計画に盛り込むこととなりました。計画書の作成を丸投げされてしまうと、弊社としては、想像で書かざるを得ない部分も出てきます。

 その部分はご面談時に経営者に確認をするのですが、中身をきちんと確認せずに「そのまま作成を進めてください」とおっしゃる経営者もいらっしゃいます。そのような姿勢は計画書から匂うものであり、審査員はその匂いに敏感なものだと感じています。

補助金に採択される事業者の特徴2:最後まで諦めない

 当時の「ものづくり補助金」の申し込みは郵送で行う必要があり、締め切り日の消印が有効でしたが、その日は申し込みの締め切り日でした。既にA社社長とは、計画内容の最終確認を済ませ、あとは社長がご自身で申し込み手続きを行うだけとなっていました。

 その日の夕方、私のスマートフォンが着信を告げました。通話口の向こうにいたのはA社社長。「計画書をもう一度見直していたのですが、数値計画のところで相談があります」とのことでした。

 「まだ申し込み手続きを済ませてないのですか?」と聞くと、「最後の最後までブラッシュアップしたいんです。郵便局は夜8時までやっているので、本日の消印を得るには【まだ2時間以上】あります」と答えたA社社長の一言に感心させられました。

補助金に採択される事業者の特徴3:多くの人材を巻き込む

 補助金の応募の際に策定した計画は、実行されなければ意味がありません。形ばかりの計画で仮に採択されたとしても、経営状況を好転させるのは困難なのではないでしょうか。

 A社は、面談の都度、社長はじめ社員の3分の1が面談に臨みました。結果として計画が社内の【誰にとっても理解できる】内容となりました。様々な部門の社員が集まりますから、専門の深さは異なるわけですが、それを超えて平易な言葉で分かりやすい計画が策定できることとなりました。

 このことは、審査する側も理解がしやすいこととなります。審査員が理解できなければ評価の土俵に上がることもできませんから、A社の手法は至って合理的な計画の策定方法と言えるでしょう。さらには、計画の共有も進むため、実行のハードルが低くなるというメリットもあります。

 今回のコラムでは、補助金に採択される事業者の特徴として、1.丸投げしない、2.最後まで粘る、3.多くの人材を巻き込む、を挙げました。2次公募を狙う事業者の方はぜひ意識していただきたいと思います。

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