中間管理職が辞めたいと思うロードサイド店舗展開を防ぐために

経営の姿勢

中間管理職のサンドイッチ症候群

 先日TBSで放映された「下町ロケット」で、吉川晃司さん演じる帝国重工の財前部長が中間管理職としての辛さを好演していました。このドラマは、下町のものづくり企業「佃製作所」が舞台となっていますが、財前部長は、佃製作所との取引を切るとともに、その佃製作所に無理なお願いをせよ、という上司からの命令を受けます。

 佃製作所の社長には、大学の同期で、現在、研究者として活躍している知り合いがいます。その知り合いが持つ技術を帝国重工が使いたいので、仲を取り持ってくれ、という無理なお願いです。財前部長の上司は、佃製作所との取引を切ることを前提でそのお願いをさせようとするのです。
 そのようなムシのいい話を佃製作所はすんなりと受け入れるはずもなく、上司と佃製作所の板挟みになった財前部長は苦悩します。

 そんなドラマを観て数日後、ある企業様から「中間管理職として経営者と現場をうまく繋ぐにはどうしたらよいのでしょう」というご質問をいただきました。

中間管理職は「連結ピン」であれ

 ロードサイド店舗を複数展開する事業者における中間管理職は、店舗を複数統括するエリアマネージャーや、場合によっては店長も該当するかもしれません。

 そして、経営層は、現場層の視点を短期的かつ部分最適なものに偏っていると捉えがちです。これに対して、現場層は、経営層は机上の空論に偏っていると捉えがちです。
 このように相対する価値観を持つ両者を繋ぐのが中間管理職の役割であり、その繋ぎ方が、単に経営層や現場が言っていることを伝える空洞のパイプ的なもの、つまり伝書鳩のように「上が言っているからやってくれ」「現場がこんなことを言っているんですよ」では、真の意味で両者を繋ぐことはできません。

 米国ミシガン大学の心理教授・ミシガン大学社会調査研究所長であるR.リッカート氏は、経営層と現場層をつなぐ「連結ピン」という概念を提唱しました。
 中間管理職が「連結ピン」であるためには、経営層からの方針や指示を受けた時に、その内容を中間管理職自身の言葉で説明できるように咀嚼させなければなりません。そして咀嚼してもらった結果が経営層の意図を反映しているか、その咀嚼内容で現場に伝えて良いものか、中間管理職とともに確認をすると良いでしょう。

 その上で、現場に経営層の意図を伝えていただきますが、内容によっては、現場から不平不満が出ることもあるでしょう。中間管理職には、そのような現場の声を提案としてまとめ、経営陣に届けさせることとします。

誰が中間管理職を無能にしているのか

 このような取組みにより、中間管理職は、経営層と現場層を繋いでいきます。よって、経営層は、中間管理職の咀嚼内容や提案内容に積極的に耳を傾け、ちゃんと経営層の方針や指示を咀嚼しているのか、現場の声をちゃんと拾って提案としてまとめているか、を日々確認し、その取組みを促進する必要があります。

 ところが、経営層が、中間管理職のそのような声に耳を貸さないと、中間管理職は単なるパイプ、伝書鳩になってしまい、自身の存在意義を見失った結果、板挟みの辛さに耐えきれず、退職してしまう可能性が高まります。
 中間管理職が機能していない、と嘆く経営陣ほど、中間管理職の声に耳を傾けず、経営層が中間管理職を無能化させている、と言っても良いと思います。

 中間管理職が辞めていくロードサイド店舗にしないための心得は、中間管理職の咀嚼内容と提案内容に経営陣がしっかり耳を傾けることである、と思いますが、いかがでしょうか。

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