前面道路の交通量が多いのに集客がうまくいかない理由

 前面道路の交通量がそれなりにあるものの、店内は閑散としている店舗が見受けられます。そのような店舗は、メディアを通じた露出が少ないのではないか、検討してみる必要があるでしょう。

 前面道路の交通量が多いということは、その店舗の強みではあります。ですが、前面道路を通る方々に「入店してみたい」と思わせる情報を提供できなければ、単に交通量が多いだけで、入店は叶わず、店内は閑散とすることになります。

 反面、前面道路の交通量が少なくても、様々なメディアを通じて露出度を高め、多くの方に「入店してみたい」と思わせる情報が提供できれば、来店客は増加し、繁盛することでしょう。

 今回のコラムでは、多額の費用をかけることなく、どのように露出度を高めていくべきかを見ていきます。

金銭的負荷の低い露出度向上の方法

 ガソリンスタンドで働く方々向けの業界誌である「月刊ガソリンスタンド」4月号、5月号にコラムを寄稿させていただきました。出版社のご担当者によると、この業界誌に寄稿したことをきっかけに各地から講演の依頼が舞い込む方もいらっしゃるとのことです。

 果たして、弊社にそのような話が舞い込むかどうかはともかくとして、このような業界誌にプロフィールや業績、弊社が考えるお役立ち情報が掲載されたということは、弊社の露出度が向上したことを意味します。

 「メディアを通じて露出度を向上させましょう」と言うと、広告宣伝費の大きな負担が必要という認識を持つ事業者が多いのですが、そのような負担を最小限にした露出度向上策として、このような業界誌を通じた露出の他に、新聞にニュース素材として取り上げていただくことも挙げられます。

 では、どうすればニュース素材として取り上げてもらえるのでしょうか。

都道府県知事からお墨付きをもらう

 弊社がお勧めしているのは、行政の中小企業支援策である、経営革新計画の承認取得制度を活用することです。

 この制度は、新たな事業を計画に則って展開しようとする事業者が、当該計画を都道府県に審査してもらい、その審査を通過すると知事名の入った「経営革新計画承認書」がいただける制度です。

 これがあると、事業の公共性が高まりますので、新聞社はニュース素材として取り上げやすくなります。

 弊社は経営革新計画の策定支援実績が100を超えていますが、かつてこのご支援をした雑貨店では、承認書が手元に届いた段階で、A4用紙1枚に計画書を要約し、経営革新計画承認書のコピーとともに、新聞社10社にFax送信をしました。

 結果として10社中1社がこれに反応し、ニュース記事として取り上げていただきました。さらにその記事を読んだ、ある業界の専門誌が取材に訪れ、またもや記事となりました。これにより、同店は露出度が高まり、業績が大きく向上することとなりました。

 この経営革新計画の策定支援は、自店が所在する自治体や商工会、商工会議所といった公的機関を活用することで、無料で支援を受けることが可能です。

 さて、経営革新計画は、新たな事業を対象としています。では、新たな事業とは何を指すのでしょうか。また、どのようにして、新たな事業を見出せば良いのでしょうか。

顧客と製品、新規と既存の組み合わせで考える

 経営革新計画でいうところの「新たな事業」とは、次の要件を満たす事業を指します。
 (1)自社にとって初めての取組みであること
 (2)新たな製品・サービスもしくは、製品・サービスの新たな提供の方法であること
 (3)上記(2)が同業他社で相当程度普及していないこと

 つまり、日本で初めてとか、特許が取れるような事業である必要はなく、自社にとって初めてであり、競合が実施していない製品・サービスもしくはその提供方法であれば良いのです。

 そのような事業を見出すために、弊社では以下の図表を用いています。

 縦軸に顧客を、横軸に製品・サービスをとり、それぞれを既存・新規に切り分けた上で組み合わせると4つの戦略が現れます。各戦略の説明は以下の通りです。

 左上:市場浸透戦略:既存の製品・サービスを、既存の顧客に提供していく戦略
 左下:新市場開拓戦略:既存の製品・サービスを、新規の顧客に提供していく戦略
 右上:新製品開発戦略:新規の製品・サービスを、既存の顧客に提供していく戦略
 右下:多角化戦略:新規の製品・サービスを、新規の顧客に提供していく戦略

 新規事業のアイデアを探す際に、まず現在、自店はどのような製品・サービスをどのような顧客に販売しているか、を検討します。

 その上で、もし、現在提供している製品・サービスを、新規の顧客に提供していくとしたら、どのような顧客が想定できるのかを検討します。これが新市場開拓戦略へ進む方向です。

 それと同時に、もし、新規の製品・サービスを、既存の顧客に提供していくとしたら、どのような製品・サービスが考えられるのかを検討します。これが新製品開発戦略へ進む方向です。

 さらに、もし、新規の製品・サービスを、新規の顧客に提供していくとしたら、どのような製品・サービス、どのような顧客が想定できるのかも検討します。これが多角化戦略へ進む方向です。

その他のアイデア創出パターン

 新規事業のアイデアを見出す方法として下記のパターンもあります。

 1つめは、過去へ対する下記の視点です。
 ・かつて取り組もうとして諦めた事業はないか
 ・かつて取組んでいた事業を復活できないか
 ・経営者の経歴を活かせないか

 2つめは、現在へ対する下記の視点です。
 ・もし好きにお金が使えるとしたらやりたいことはないか
 ・現在取り組んでいるが停滞している事業はないか
 ・最近始めたばかりの事業はないか
 ・投資により発生した余力をどう活かすか
 ・店舗・店頭以外の場所で販売できないか
 ・事業者向け取引から消費者向け取引へ、消費者向け取引から事業者向け取引へ
 ・「モノ」発想から「コト」発想へ、「コト」発想から「モノ」発想へ

 このような観点から、自店がこれまで取り組んでおらず、競合店も実施していない事業を見出すことができれば、経営革新計画の策定は大きく前に進めることができます。

 前面道路の交通量が多いのに集客がうまくいかない理由として、メディアを通じた露出度が低いことを挙げました。地元の商工会や商工会議所へ出向いて、経営指導員の方へ、経営革新計画を策定したいことを伝えてみてはどうでしょうか。

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