ガソリンスタンドが行動経済学を使ってタイヤを大量に販売する方法

コラム

1.はじめに

 3月も終盤となった今の時期は、冬用タイヤから夏用タイヤへの交換需要が徐々に高まる時期です。この際に、摩耗してしまった夏用タイヤを新品にするケースもあるでしょう。

 ガソリンスタンドが取り扱う商品の中でも、タイヤは比較的高額であり、重要な収益源の一つです。しかし、顧客は必ずしもタイヤ交換の必要性を認識しているわけではありません。

 そこで、今回は行動経済学の知見を活用した、効果的なタイヤ販売の方法についてご紹介します。

2.フレーミング効果とは

 フレーミング効果とは、同じ情報でも提示の仕方によって、人の判断が異なることを利用するテクニックです。例えば「この手術は9割の可能性で成功します。この手術を受けますか?」と「この手術は1割の可能性で失敗します。この手術を受けますか?」は同じ内容を述べていますが、印象が異なります。

 フレーミング効果(framing effect)という名称は、英語の「frame(枠、額縁)」という単語に由来します。絵画や写真では、額縁によって作品の印象が大きく変わるように、同じ情報でも提示の仕方によって人の判断や意思決定が大きく変わることを比喩的に表現しています。

 タイヤ販売においてフレーミング効果を活用するには、メリットを強調するゲインフレームとデメリットを強調するロスフレームを知っておくと良いでしょう。

3.タイヤ販売におけるゲインフレームとロスフレーム

(1)ゲインフレーム

 フレーミング効果のゲインフレームとは、メリットにフォーカスします。タイヤ交換であれば、それをすることで得られるメリット(避けることのできるデメリット)を強調します。
例:
「このタイヤに交換すると、〇〇のメリットが得られます。」
「今ならキャンペーン中で、通常価格より〇〇円お買い得です。」
「タイヤ交換をすると、安全性と燃費が向上します。」

(2)ロスフレーム

 フレーミング効果のロスフレームとは、デメリットにフォーカスします。タイヤ交換であれば、それをしないことによって発生するデメリット(逃してしまうメリット)を強調します。
例:
「このタイヤに交換しないと、〇〇の損失を被ります。」
「交換しないと、〇〇のチャンスを逃します。」
「タイヤ交換をしないと、パンクやバーストのリスクが高まります。」

 このようなゲインフレームとロスフレームを活用する際には以下の点に留意しましょう。

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