持続化補助金4回採択の絵画教室が教える、補助事業の効果の書き方

小規模事業者持続化補助金

1. 持続化補助金4回採択の絵画教室が教える、補助事業の効果の書き方

 持続化補助金で4回目の採択を得た絵画教室家カフェスキル青山・八潮の計画書をもとに、ここまで5回にわたって、採択を引き寄せる計画書の書き方をご紹介してきました。最終回の今回は、当事業所が補助事業計画「4.補助事業の効果」をどのように記載したのか、そのポイントを見ていきます。

 家カフェスキル青山・八潮は、全国25ヶ所以上のカルチャーセンターで実施する対面教室や、オンライン教室を用いて絵画のスキルを提供しています。

 代表の齋藤洋子氏は、もともと絵画を専門的に学んだことはありませんでしたが、自身の子どもに絵を教えてみたところ、コンクールで最優秀賞を受賞したことがきっかけで、絵画教室を開くことにしました。

 その後、順調に事業を拡大してきましたが、その要因のひとつに小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)の活用が挙げられます。当事業所は、これまで持続化補助金に3度採択されていますが、4度めの申請は不採択となってしまいました。そこで、ご縁があり弊社がご支援することとなり、無事4度目の採択を得ることができました。

 当補助金を申請するには、以下のサイトから申請書類をダウンロードし、書面審査を通過する必要があります。特に経営計画と補助事業計画の完成度が、審査結果に大きく影響を与えます。

【商工会議所の管轄エリアで事業を展開する方】
https://s23.jizokukahojokin.info/

【商工会の管轄エリアで事業を展開する方】
https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_r1h/shinsei.html#yosiki

 では、どのような書き方で4度目の採択を得ることが出来たのかを以下でご紹介していきます。

■「補助事業の効果」の記載ポイント①内容を切り分ける

 当事業所は、補助事業の効果を「自社」「顧客」「社会」の3つの視点から整理し、見出しを設けて内容を切り分けました。これは、近江商人の「三方よし」の精神を踏まえたものです。

 「三方よし」とは、商売をする上で、売り手、買い手、社会の3者すべてが利益を得ることを意味します。当事業所は、この精神を実現するために、自社の業績拡大、顧客である事業者の差別的優位性の向上、地域社会の発展という3つの効果に分類しました。

■「補助事業の効果」の記載ポイント②経営計画との関連性を盛り込む

 当事業所は「補助事業の効果」として、自社の効果を複数記載しましたが、その中に、経営計画の「経営方針・目標と今後のプラン」に記載した方針と目標が達成できることを述べました。

 これは、公募要領「審査の観点」にある「補助事業計画の有効性」として記載のある「販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか」を意識したものです。

 この審査項目を意識して自社の効果を記載したことは、採択を引き寄せたポイントのひとつと言えるでしょう。

■「補助事業の効果」の記載ポイント③時代に即した効果を盛り込む

 当事業者は「補助事業の効果」として、社会の効果を複数記載しましたが、その中に、認知症の予防による医療費の削減が可能となることを述べました。

 高齢化社会が進展する中、行政の医療費負担は年々大きなものとなっています。そのような中、絵画などで手先を使うことは認知症の予防に有効であることが分かっており、当事業所の絵画教室を高齢者に普及することで得られる社会的な効果を述べたことも、採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

■まとめ

 家カフェスキル青山・八潮の計画書は、以下の3つのポイントを押さえることで、採択を引き寄せたと言えるでしょう。

  • 内容を切り分ける
  • 経営計画との関連性を盛り込む
  • 時代に即した効果を盛り込む

 これらのポイントを参考に、持続化補助金の採択を勝ち取りましょう。

 なお、冒頭に示したように家カフェスキル青山・八潮の持続化補助金に採択された計画書の作成ポイントの紹介記事は、今回が最終回となります。当記事を含め、ご紹介してきた作成ポイントを以下にまとめました。ご参考になれば幸甚です。

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