人材育成がうまくいかない上司3つの共通点

人材育成

 「ポン酢を買ってきて」と妻から言われた夫がポン酢を買ってきたところ「味ぽんで良かったのに。細かく説明しないと分からないのね」と妻に叱られたという嘆きがTwitterに上げられ、話題になっています。

 これと似た話で、ある経営者(喫煙者)に「タバコを持ってきて」と言われた部下(非喫煙者)がタバコを持ってきたところ「なんで灰皿とライターを一緒に持って来ないのか」と怒られたという話を聞きました。

 このような経営者は、本日示す3つのポイントをおさえることで人材育成力が飛躍的に向上するでしょう。

人材育成がうまくいかない上司の共通点1:時代背景を認識していない

 日本経済は、高度成長期を経てバブル崩壊を経験してきました。高度成長期は、終身雇用、年功序列制の人事制度の下、会社に長くいると昇進し、給料が上がり、安定した生活を送ることができる、というメリットがありました。

 よって、上司が教えてくれないのなら、上司の背中を見て仕事を覚え、会社に長く留まろうとしたものです。その頃に働く父親を見て育った世代の多くは、その価値観を引き継いで社会に出ています。現在50~60代といった年齢層でしょうか。

 これに対して、バブル崩壊後は、ベースアップ・ボーナスゼロ、そしてリストラという名の退職勧奨が行われ、会社と社員の関係がドライ化していきました。このような環境で働く父親を見て育ってきたのが、現在の若い労働力です。

 つまり、現在の20~30代を中心とした労働層は、会社に長く在籍しようという価値観が薄いので、教育がしっかりしていないのなら、しっかりしているところに簡単に転職してしまいます。

 非喫煙者の部下が「タバコ持ってきて」と言われ、タバコを持って行ったら怒られた。これは、タバコと灰皿とライターはセットであることを知らないだけであり、教えなければ分かりません。つまり、上司の背中を見て覚えるなどというひと昔以上前の価値観を期待していては、人材の育成は出来ないことを認識する必要があります。

人材育成がうまくいかない上司の共通点2:「そういう人」だと認められない

 時速160㎞のボールを投げることのできる野球のピッチャーに「あなたはなぜ160㎞のボールを投げられないのですか?ダメじゃないですか」と言われたとします。
 また、100mを9秒台で走ることのできるアスリートに「あなたはなぜ100mを9秒台で走れないのですか?ダメじゃないですか」と言われたとします。

 そんなの無理なわけです。人材育成がうまくいかない上司の多くには「相手は自分と同じ」という認識があります。自分は新人時代にこの程度の説明で出来るようになったから、他の人もこの程度の説明で出来るようになるだろう、という甘えです。

 他人は自分と違うのは当然であり、だからこそ、その人に合わせた人材育成が必要になる、ということです。

人材育成がうまくいかない上司の共通点3:自分が正しいと思い込んでいる

 選挙は民意で決まります。事業も同様で、多くの顧客から指示されて成り立ちます。自分の教え方で人材育成は問題ない、という考えは民意を無視しています。

 人材育成で、民意を取り入れるということは、様々な意見を取り入れて教え方を構築し、ブラッシュアップしていく、ということです。上司は権限がありますので、鶴の一声で物事が決まりがちですが、部下の声も取り入れることにより、部下も人材育成に関心を示すようになってきます。

 今回のコラムでは、人材育成がうまくいかない上司の共通点として、1.時代背景を認識していない、2.「そういう人」だと認められない、3.自分が正しいと思い込んでいる、を挙げました。

 これらの特徴は、部下と面と向かっていない上司の「甘え」と捉えることも出来ます。そして、えてして上司は自身の部下に対する「甘えを受け入れなさい」を「期待に応えなさい」という言葉にすり替えてしまいます。ですが、部下はしっかり見ています。今回取り上げた3つの共通点を意識して、部下をより優秀にしていただけたらと思います。

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