１．誕生パーティーで顧客との絆を深める！カフェの経営革新計画の事例紹介
■経営革新計画とは
同店は、関東圏内に立地するカフェです。計画の策定当時は、開業後30年を迎えようとしており、代表とご子息の２名で事業を展開しておりました。店舗の老朽化が目立ち始め、地元商工会に補助金で改装費用を賄えないか相談する中で、経営指導員に勧められ、経営革新計画の策定に取り組むことにしました。
経営革新計画とは、中小企業が新事業活動に取り組むことで、経営を強化するための計画です。作成したこの計画が、都道府県の審査を通過すると、都道府県知事の名前が入った承認書を得ることができます。これによって、資金調達や販路開拓などの特典を受けることができます。なお、経営革新計画の制度について、詳細は下のリンクをご覧ください。
飲食店は、新たな事業活動が打ち出しにくい業種という見方がありますが、今回の記事では、同店がどのようにして新しい事業を見出していったのか、ご紹介していきます。この記事が、規事業の見出し方に課題を抱えている方の参考になればと思います。
■同店の強みと弱み、外部環境の分析
同店は、長年地元に根付いた事業展開を行っていたことから、関係性の深い既存顧客が多いという強みを持っていた反面、店舗が目立たないことから新規顧客の集客力が低いという弱みを抱えていました。よって、同店の新規顧客の獲得は、既存顧客の紹介によるものがほとんどでした。一方、既存顧客は高齢化によって、来店頻度が減少してるという脅威もありました。
■新しい事業のテーマの見出し方
経営革新計画を策定するためのヒアリングをしている際に、代表が、数年前のある日、久々にご来店された固定客の顔色が優れず、突然倒れてしまったエピソードを話し始めました。この顧客は、すぐ病院に搬送されたものの、数日後に亡くなってしまいました。代表としては、もっと早い段階で異変に気づいてあげたかったということで、非常に悔やんでおりました。
そこで、経営革新事業として、月1回、当月に誕生日を向かる顧客のお祝いパーティーを開催することとしました。同店から既存顧客へ電話で誕生パーティー開催のお知らせをし、その電話口での口調や声の張りなどから、異変がないか確認をします。
何か違和感があったら、別居する家族に連絡をするなど、対応をすることで、既存顧客の見守り活動を実施することとしました。
同店は、ほとんどの既存顧客について、誕生日を把握しているものの、全員の誕生日を完全に把握はしていませんでした。そこで、スタンプカードを発行し、氏名や連絡先の他、誕生月を書いてもらって、それらを把握することとしました。
そして、誕生パーティーの参加という来店目的を提供し、既存顧客の来店頻度を高めることで、既存顧客が、より多くの新規顧客を連れてくることも期待できることとなりました。
■まとめ
同店は、経営革新計画を策定することで、既存顧客との関係性を深めるとともに、新規顧客の獲得にもつなげることができました。誕生パーティー開催による顧客の見守り活動という新しい事業活動は、代表の経験から生まれたアイデアであり、同店の強みや外部環境を考慮したものでした。
経営革新計画は、中小企業が自らの経営課題を解決するための有効な手段です。ぜひ、皆さんも挑戦してみてください。
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