ガソリンスタンドでの事故により従業員を死亡させないために

経営の姿勢

タイヤの破裂

 YAHOO!Japanニュースより、痛ましい事故のニュースが入ってきました。大型トラックに空気を充填していた整備会社の経営者が、タイヤの破裂により2メートル吹き飛ばされ、地面に叩き付けられて死亡したというニュースです。
 私がガソリンスタンドの現場にいた頃、大型トラックに乗る顧客が、そのトラックのタイヤに空気を充填していたところ、いきなりタイヤが破裂したことがあります。
 幸いその顧客に怪我はありませんでした。そのタイヤ破裂の現場から約10メートルの場所で作業していた私も、怪我はしませんでしたが、破裂の際のすさまじい音で「キーン」という音がしばらく耳に残っていたことが思い起こされます。
 タイヤの破裂は手榴弾並の威力があると言われますが、その威力を目の当たりにした瞬間でした。

タイヤの破裂を防ぐには

 タイヤはゴム製品ですので、時期が経過するとゴムは劣化し、もろくなってきます。破裂するタイヤは、このもろくなったタイヤがほとんどです。
 よって、作業する側としては、空気を充填しても安全なタイヤか、そうでないタイヤかの見極めが重要になってきます。経営者としては、全従業員にこのことを周知するべく、ミーティングや勉強会などで見極めの方法を、取引先のタイヤ製造業者や卸売業者の協力を得て積極的に実施する必要があります。自社で働くスタッフの命を落とさせるわけにはいかないのです。

送り出し、車両チラシの危険性

 ガソリンスタンドの作業で危険を伴うものは多岐にわたりますが、送り出しも危険な作業です。ガソリンスタンドで給油を終えた車両を敷地内から前面道路に送り出す際に、前面道路を通行する車に停まっていただき、顧客の車両を割り込ませていただく作業です。
 この作業で走行してくる車両をスタッフが無理に停めようとして、はねられるケースが多々あります。

 また、イベントを行うガソリンスタンドが、店舗手前の赤信号で停まっている車両に、「その先のガソリンスタンドですが、良かったらどうぞ」と言って、開催中のイベントチラシを手渡し、入店を促すケースがあります。
 赤信号で停まっている車両にチラシを渡すことに夢中になっていると、信号が青になったことに気付かず、気が付いたら、青信号で車両が動き出した道の真ん中に置き去りになり、慌てて歩道側に戻ろうとして、車両にはねられるというケースもずいぶんと耳にした時期がありました。

送り出し、車両チラシの事故を防ぐには

 ガソリンスタンドのスタッフは、原則としてガソリンスタンドの敷地内で働くことが前提であり、道路上で働かせることは論外という認識を経営者が持つ必要があります。
 送り出しは止め、店舗敷地でのお見送りで留めたり、イベントをやっても公道上での車両へチラシを配布したりすることは廃止するべきです。
 配達や納車で敷地を出る場合は細心の注意を払う必要があり、そのための教育も必要でしょう。

 複数のガソリンスタンドを運営するある企業は、ベテラン社員1名からなる「事故撲滅委員会」を立上げ、社内の事故を大きく減少させたという実績があります。
 ガソリンスタンドでの事故により従業員を死亡させないためには、自社の店舗では絶対に事故を起こさない、という経営者の強い意識が重要でしょう。
絶対に事故を起こさないと決めたら、その意識を周囲に「見える化」することで、その意識を訴求し、制度化していきます。そのためには、具体的に組織を変えることが有効でしょう。
 そういう意味では「事故撲滅委員会」の立上げは有効な取組みと感じました。

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