甲子園優勝校の元主将逮捕からガソリンスタンドの人事を考える

人材育成

 埼玉県の花咲徳栄高校が、夏の全国高校野球選手権大会で優勝したのは2017年のことでした。ちょうどその年の夏に、同校がある埼玉県加須市へ仕事でよく出向いていたので、とても印象に残っています。

 その際に主将を務めた選手が強盗致死などの疑いで逮捕されました。この元主将を含む5人は、住宅に金品を奪う目的で侵入し、住民をバールのようなもので殴ったということです。同校の優勝が印象に残っているだけに残念でなりません。

 甲子園で優勝するなど並大抵の努力だけで成し得ることではありませんし、実力も運も必要です。それを兼ね備え、若くして脚光を浴びたこの元主将が起こした今回の事件は、ガソリンスタンドの人事を考えるうえで参考になりますので、以下で詳しく見ていきます。

若いうちに脚光を浴びるリスク

 若くして脚光を浴びることは、自身の有能感を強く得ることに繋がります。ですが、本人の人生経験は豊富ではなく、社会に出たことがありません。

 ここで謙虚さを持たずに有頂天になってしまうと、その後、物事が上手くいかなくなった時に、簡単に放り出し、上手くいかなかったことを他人のせいにしてしまうことがあります。

 事実、この元主将は進学先の大学野球部を1年で退部しています。その詳細な理由は分かりませんが、結果として大学4年間の野球生活は全うできませんでした。その背景には、若くして掴んだ過去の栄光が、謙虚さを奪ってしまったからという見方も出来るはずです。

大きな実績を挙げて栄転した新任店長

 私があるガソリンスタンドの運営会社に勤務していた頃の話です。同社は当時首都圏に20弱のガソリンスタンドを展開しており、その中には富裕層の居住地域を商圏とした店舗もあれば、比較的所得が高くない層の居住地域を商圏とした店舗もありました。

 このガソリンスタンド運営会社の稼ぎ頭となっていた店舗の1つは、都内の世田谷区に立地していました。田園調布にほど近く、主要客層は富裕層です。高級車でのご来店が多く、軽自動車でご来店される顧客はほとんどおりません。

 そして、この店舗ではエンジンオイルや洗車といったガソリン以外の商品(油外商品)をお勧めすれば、細かな商品説明などしなくてもどんどん売れていきました。そんな客層を相手にして大きな実績を挙げていた、この店舗の店長代理が実績を見込まれ、北関東の郊外に立地する小規模な店舗に店長として栄転することとなりました。

栄転した結果

 本社としては、地方の小規模なガソリンスタンドで店長としてデビューさせ、経験を積ませたいという意図があったはずです。しかし、当地に赴任後のこの店長は販売が上手くいかず悩み始めます。

 田園調布と違って、農作業用のトラクターでの給油もあるような立地です。主要客層の所得も比較的高くはなく、油外商品を売ろうとしてもなかなか売れていきません。結果として赴任後数ヶ月で鬱になってしまいました。

 彼は、赴任前に一見大きな実績を挙げていましたが、それは単に客層に恵まれていただけの結果でした。そして、謙虚さを失い、もっと実力を高めようという気概のないまま、栄転に浮かれて赴任してしまいました。

 人生経験の少ない若いうちに、甲子園優勝という栄光を手にしてしまった冒頭の元主将は、謙虚さを失って道を誤ってしまいました。現場経験の少ないうちに大きな実績を挙げてしまうと謙虚さを失い、それが自分の実力であると勘違いをするという形で道を誤ります。

 よって、経験が浅いうちは、まず客層の厳しい店舗に配属することが人事のポイントと考えますがいかがでしょうか。

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