生き残るガソリンスタンド経営者が店長に投げかけるべき質問とは

人材育成

 ガソリンスタンドは、タイヤやオイルなどガソリン以外の商品、つまり油外商品を売ることで高い利益を得ることが可能ですが、これがなかなか売れていかなくて苦労するわけです。

 そのような中、複数店舗を展開する、あるガソリンスタンド運営会社の店長会議で経営者が「油外商品の販売目標をクリアしないと、君たちの働く場所はなくなってしまう。何としても目標をクリアするように。」と言いました。

 今回のコラムでは、具体的な方策を示さないで発せられるこのような脅迫には、何のメリットもない理由を通じて、生き残るガソリンスタンド経営者が店長に投げかけるべき質問を見ていきます。

社員は扱われたように顧客を扱う

 ある方が財布を落としてしまい、交番に出向いたところ、落とした財布が届けられていました。無事に自分の財布を受け取ったその方は、交番のお巡りさんと善意のありがたさについて話していたところ、「自分が落とし物をした際に、交番に届けてもらった経験がある人ほど、自分が落とし物を拾った際に、交番に届ける可能性が高い」と言われました。

 人は、自分が救われた経験があると、救う側に回る意欲が高まります。優しくされたら優しくなりやすいですし、話を聞いてもらえたら話を聞くようになります。これを冒頭の店長会議に置き換えた場合、経営者に脅された店長は、現場でスタッフを脅すこととなります。これが、スタッフが顧客を脅して押し売りすることに繋がります。「その会社の社員は、その会社に扱われたように顧客を扱う」と言われる所以です。

具体的な行動の見出し方

 冒頭の経営者は、店長に対して脅迫ではなく具体的な行動を示す必要がありました。これに対して、「そんなことは店長が考えること」という認識の経営者がいましたが、「そんなこと」を店長ができないから同社の実績が厳しいわけです。

 そして、経営者が店長に具体的な行動を示すことができないのなら、店長が具体的な行動を起こせるように、店長に考えさせる必要があります。

 考えさせるということは、質問を投げかけるということです。この場合に、今後起こすべき行動について、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)という5W1Hを明確にする質問を投げかけることで具体的な行動が見えてくる可能性が高まります。

 これを踏まえ、経営者が店長と以下のやり取りをしたとします。

 経営者「店長が部下を動かして油外商品の販売を促進するとしたら何を実施しますか」
 店長「部下と面談をして、販売意欲を喚起します。」
 経営者「しっかり面談をして目標達成するように。頑張ってください。」

 このやりとりは、店長の行動が具体的になっていません。これに対して、以下のような質問を投げかけていくと行動が具体的になってきます。

 経営者「店長が部下を動かして油外商品の販売を促進するとしたら何を実施しますか」
 店長「部下と面談をして、販売意欲を喚起します。」
 経営者「面談の効果を上げるためには、部下の誰と優先的に面談しますか」
 店長「店長代理の山田と面談します」
 経営者「山田代理とはどのような面談をしますか」
 店長「現在、山田代理が油外商品の販売で抱えている課題を洗い出すようにします」
 経営者「前回、そのような面談をしたのはいつ頃ですか」
 店長「半年ほど前かと思います」
 経営者「月1回ペースでそのような面談をするために私ができることは何ですか」

 なお、この場合の留意点ですが、経営者が「なぜ(Why)」から始まる質問を使いまくると、質問ではなく詰問になってしまい、根本が脅迫と変わらなくなってしまいます。

店長の学びを促す

 経営者が、この5W1Hを明確にする質問を投げかけることにより、店長が具体的な行動を見出した場合、この店長は具体的な行動の見出し方を学んだことになります。それは、現場の第一線で働くスタッフに具体的な行動を見出させる場合に有効なスキルとなります。

 つまり、経営者が具体的な行動を見出す質問を店長に投げかけると、店長は現場スタッフに具体的な行動を見出す質問を投げかけることができるようになる、ということです。

 今回のコラムでは、生き残るガソリンスタンド経営者が店長に投げかけるべき質問として、具体的な行動を見出す質問を挙げました。経営者は、現場を預かる店長に丸投げすることなく、油外商品の販売を促進させていきましょう。

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