婦人服店が業績回復のために踏むべき3つのステップ

現状分析

 ロードサイドに立地する婦人服店を営むA氏。都内の某駅から徒歩7分の住宅街に立地し、創業10年が経過しました。しかし最近は売上高の減少が止まりません。まず、客単価が下がり始め、そうこうしているうちに客数が激減してしまいました。そこで、ご自身で以下の資料を作成し、現状と問題点をまとめました。

 【現状】
 ・従業員 2名。
 ・品揃え 100%国内ブランド、上質カジュアル品やトレンド品、オフィスウエアやドレスも対応。
 ・仕入れ 買取仕入、卸値は平均53%、つまり利益率が47%。
 ・顧客層 30~80歳。

 【問題点】
 ・イベントやキャンペーンを数多く実施しても、顧客の反応が非常に鈍くなった。
 ・10名ほどの年間売上50~100万円クラスの顧客が引っ越しのため、来店しなくなった。
 ・店舗規模が小さいため、取扱ブランドが限られる。
 ・当店の取扱ブランドは、駅のテナント店やネット通販などで簡単に買える。
 ・卸売経由で仕入をしているので、ファストファッション業態との価格競争に敵わない。
 ・入口はバス停に直面しており、その扉は凝った造りであることから、一見扉とはわからない。また、10年間で改装したことは無い。
 ・馴染みのお客様が来店しても、長時間の話だけで何も買わずに帰ることも増えた。

 今回のコラムでは、このような婦人服店が現状を打開していくための方策を見ていきます。

業績回復のために踏むべきステップ1:内部/外部環境の切り分け

 自店を取り巻く環境は、内部環境と外部環境に分けることができますが、これにより、変えられることと変えられないことが分かります。

 内部環境は、人・物・金・情報が挙げられます。具体的には、経営者や従業員といった人的資源、商品や店舗といった物的資源、保有している現金の量などといった財務的資源、ノウハウや顧客へのアドバイスといった情報的資源です。

 これに対して、外部環境は、顧客動向や競合動向の他、経済動向、取引のある卸売業や製造業の動向などが挙げられます。

 自店が取組んで変えることができるのが内部環境、変えることが困難なのが外部環境です。これらを切り分けることにより、自店が取組んで変えるべき内部環境を見出していきます。

業績回復のために踏むべきステップ2:良い/悪い傾向の切り分け

 内部・外部環境は、それぞれ、良い傾向と悪い傾向に区分することができますが、これにより、さらに強化すべきことと克服すべきことが分かります。

 前述の婦人服店でA氏がまとめてきた資料は問題点を列挙していますので、悪い傾向に偏るのは当然ですが、良い傾向も把握しないと、偏った現状分析になってしまいます。

 良い傾向を見出すために、内部環境では、経営者や従業員の経歴や保有資格、店舗の立地や品揃えの方法、金融機関との関係性や確保している融資枠、店舗からの情報発信や業界情報の取得状況などから、外部環境では、アプローチできる固定客の数や範囲、競合の戦略の盲点などの観点から探っていきます。

 良い傾向はより強化し、悪い傾向は克服を目指しますが、経営資源の質と量が比較的低く、小さい小規模店舗は、前者に集中することが望ましいとされています。

業績回復のために踏むべきステップ3:SWOT分析

 これまで述べてきたことは以下のようにまとめることができます。

 ・内部環境で良い傾向:強み(Strength)
 ・内部環境で悪い傾向:弱み(Weakness)
 ・外部環境で良い傾向:機会(Opportunity)
 ・外部環境で悪い傾向:脅威(Threat)

 これらを用いた今後の戦略検討を各項目横文字の頭文字をとってSWOT分析と言います。

 そして、前述の婦人服店でA氏がまとめてきた資料を当てはめると以下となります。

 SWOT分析を行っていただくと、多くの事業者がこのように、良い傾向が少なく、悪い傾向を多く見出します。そして、内部環境の良い傾向(強み)はいくつか見出すことができても、外部環境の良い傾向(機会)はほとんど見出せません。これは典型的なパターンです。

 そこで、内部環境と外部環境の良い傾向、つまり、強みと機会を見出すことに注力し、より強化する強み、活用できる機会を抽出していきます。

 自店の強みを見出す際に有効なのが、創業からこれまでの沿革を丁寧に辿ることです。その中には、自店でなければできないことがあったはずです。 
 
 また、弱みから強みを見出すことも可能です。例えば、店舗が小さいという弱みは、小さい店舗だからこそできることがあるかもしれませんし、卸売経由で仕入れているから価格が高いという弱みは、卸売経由だからこそできることがあるかもしれません。

 今回は、売上に苦しむ婦人服店が業績回復のために踏むべき3つのステップとして、1.内部/外部環境の切り分け、2.良い/悪い傾向の切り分け、3.SWOT分析、を挙げました。

 現状を打破するには、現状を正確に把握することが必要です。まずは、現状分析の基本であるSWOT分析を活用してみませんか?

メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓

ロードサイド経営研究所メールマガジン登録フォーム(無料)

電子書籍のご案内

 1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円

タイトルとURLをコピーしました