売上が低下した原因の見つけ方(前編)

現状分析

 衣料品小売業の経営者が発した以下の質問に触れる機会がありました。

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 開業して6年近くになります。昨年の夏までは、苦労しながらも売上は前年比10%ほどの増加を続けていました。しかし8月から突然、過去に経験したことがないレベルで売上が減少し、経営状態が悪化しました。

 それまで無借金経営を続けていましたが、仕入代金や経費支払いの為に金融機関より運転資金の借入れをしました。今年に入っても売上は伸びず、月平均で昨夏の65%程度になってしまい、運転資金も底をつきつつあります。勿論、経営努力は惜しまず取り組んでいるのですが、今後、業績を回復させるためにどのような対策をとるべきでしょうか。

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 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と言うように、良くない状況が起こった原因は必ず存在します。売上が下がったのであれば、その原因を突き止めた上で、対策を検討する必要があります。そこで、売上が低下した原因の見つけ方について前後編に分けて見ていきます。

顧客動向に目を向ける前に

 まずは「売上が低下した原因は、顧客動向を無視した事業展開をしているからではないのか」という視点で検討します。

 顧客動向に沿った店舗運営でなければ、客離れが進んでしまうのは自明の理ですから、これを把握する必要があります。ただ、その前に自店の【ターゲット顧客】が明確になっているのかを検討しましょう。顧客動向をいくら調べても、自店が狙うターゲット顧客の動向を把握していなければ、その後の展開に活かすことが困難だからです。

 40代の仕事をもつ女性をターゲットとした事業展開をしているのに、女性全般の動向を調べてもその後の店舗運営に活かしにくいということですが、そもそも、ターゲット顧客を決めていますか?ということです。

 「当店の顧客ターゲットは来店してくださったお客様です」と答えた方がいましたが、ターゲット顧客は結果として顧客となった人ではなく、自店が狙う顧客です。これを定めることにより、店舗の特徴が明確になり、他店との差別的優位性が構築されます。

 よって顧客を細分化しますが、その切り口としては以下があります。

 【地理的基準】当店から半径〇㎞や〇〇市内といった顧客の居住地域など
 【人口統計的基準】年代、家族構成、職業、所得など
 【心理的基準】外食が多い・旅行が好きといったライフスタイル、保守的・派手好きといった価値観など
 【行動変数基準】来店頻度、購買金額など

 上記の側面からターゲット顧客を定めてから、その動向を把握します。

2つの視点からの顧客動向

 視点にはマクロ的視点とミクロ的視点があります、マクロ的視点はミクロ的視点よりも大枠で顧客動向を捉えます。具体的には、市場規模や商圏人口の推移が挙げられますが、これらは、インターネットや図書館で調べることが可能です。ただし、この動向は他店も同様ですから、マクロ的視点で大枠を捉えたらミクロ的視点からも捉えてみます。

 ミクロ的視点で捉えたいのは【顧客ニーズ】です。顧客は同店に衣料品を買いに来ますが、その衣料品で何を満たしたいか、何を解決したいか、この「何を」が顧客ニーズです。ターゲット顧客が、その衣料品を着ることで会議の発言力を高めたいのか、デート相手にさらに惚れてほしいのか、これらを検討し、品ぞろえや店舗の雰囲気などがそれにマッチするようにします。

 たまにネット上で「どういったサービスがあったらいいですか」などのアンケートを取っている方を見かけますが、この顧客ニーズのヒントは、現在ご来店いただいている顧客が与えてくれるものです。そこで、接客時に顧客ニーズにアンテナを張っておく必要があります。

 今回のコラムでは、売上の低下した原因の見つけ方として、顧客動向の捉え方を取り上げました。次回は競合動向と自社の捉え方を取り上げます。

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