売上が低下した原因の見つけ方(後編)

現状分析

 前回のコラム「売上が低下した原因の見つけ方(前編)」では、顧客動向の分析方法をご紹介しました。しかし、これだけでは片手落ちです。顧客動向の分析を行った結果、売上が低下した原因が見つかっても見つからなくても、今回ご紹介する方法も併せて実施することで、売上が低下した原因を多面的に探ることが可能となります。

1.競合・自社の分析方法

(1)顧客動向以外の外部環境とは

 顧客動向の分析とは「売上が低下した原因は、顧客動向を無視した事業展開をしているからではないのか」という視点からの検証でした。そして、さらに「売上が低下した原因は、競合の取組みではないのか」という視点も必要です。

 衣料品店の場合、この競合をネット通販、ファストファッション店、大手ショッピングセンターにしてしまうと価格競争の泥沼に陥り、収益性が低下してしまいます。

 ボクシングのライト級の選手はライト級のボクサーと戦うように、自店が戦うべき相手を見誤らないようにしましょう。その上で、競合の経営資源や、実施しているマーケティング戦略(具体的には後述します)を把握し、自社のそれと比較します。

 比較した結果、劣っている部分が顧客の購買決定要因と結びつくようであれば、売上が低下した原因と判断できます。

(2)内部環境にも目を向ける

 これまで見てきた顧客動向、競合動向を踏まえ、社内の状況も検証します。

 まずは、「人」「物」「金」「情報」といった【経営資源】、「価格戦略」「販売促進戦略」といった【マーケティング戦略】が競合と比較して劣っていないか、顧客に価値を届けているか、を検討します。実務的には、以下を明らかにしたいところです。

 【経営資源】 
 「人」は、経営者の戦略立案力・指導力など、スタッフの接客力・商品知識・モチベーションなどを検証します。
 「物」は、品ぞろえや陳列状況などを検証します。
 「金」は、販売促進費や広告宣伝費などを検証します。
 「情報」は、販売ノウハウ、ブログやSNSで発信している情報の質・量などを検証します。

 【マーケティング戦略】
 マーケティング戦略はいくつかありますが、その中で「品ぞろえ戦略」は、上記「物」と重複しますし、「立地戦略」は、現在店舗がある以上、変えようがないので、それ以外の下記戦略を検討します。

 「価格戦略」は、とにかく安くしてもネット通販や大手には適いません。そこで、付加価値を高めて高値で販売し、成功したケースがあります。以下のコラムを参考にしてください。
 でんかのヤマグチに学ぶガソリンスタンドの生き残り策

 「販売促進戦略」は、顧客を引き込むプル戦略、顧客に売り込むプッシュ戦略、顧客が自主的にお買い上げいただくプット戦略があります。これらがきちんと確立されていないから売上が落ちたのではないか、検証する必要があります。これら3つの戦略は以下のコラムを参考にしてください。
 ガソリンスタンドの経営で知っておきたい3つのP

(3)3C分析とは

 冒頭でご紹介した前回のコラム、そして今回のコラムで、【顧客:Customer】【競合:Competitor】【自社:Company】の分析方法をご紹介しました。これはそれぞれの頭文字をとって「3C」分析と呼ばれます。この考え方、視点で売上低下の原因を把握し、苦境打開の一手を検討しましょう。

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