倒産急増の理容店・美容室が生き残るための3つのポイント

現状分析

 東京商工リサーチによると、2019年における「理容業・美容業」の倒産は、119件に達しました。これは、これまで過去最多だった2011年の118件を上回ったこととなります。そんな厳しい状況の中、ある理容店の経営者が発した以下の質問に触れる機会がありました。

 自店の近くに大型の高級店舗、全国でチェーン展開してる店舗、低料金の店舗などが軒並み出店してきました。このように外部環境が変化しても、他店に負けずに顧客のハートをしっかりと掴むような店舗にしていきたいと思っています。

 ただ、そのためにどうすべきか色々と考えても、どうしても店舗サイドの考えになってしまう気がしますので、顧客の立場にいる方々にご意見を伺い、今後のメニューや店舗体制を作っていきたいと思っています。そこで伺いたいのは、以下の項目です。

 ①どんな理容店に行きたいですか?
 ②料金はどのくらいだったら良いですか?
 ③どんなメニューがあったら嬉しいですか?

 このような質問をインターネットの質問掲示板に書き込んだところ、閲覧者は2,000名ほどに上りましたが回答がなく、今後の打ち手が見えてこないのでどうするべきか、という質問内容です。今回のコラムでは、この質問を受け、厳しい環境の中で顧客ニーズを掴んで生き残る理容店・美容室になるポイントを見ていきます。

倒産急増の理容店・美容室が生き残るためのポイント1:質問の手段を間違えない

 インターネットで広く意見を募りたいという気持ちは分かりますが、これを質問掲示板に掲載しても、回答が得られる可能性は高くありません。なぜなら、この経営者が投げかけているのは、1つ1つは質問ですが、実質的にはアンケートだからです。

 よって、ミルトークなどのアンケートサイトを活用する必要があります。ただし、アンケートサイトのほとんどは有料ですので、費用をかけたくなければ閲覧に留めておくべきです。それでも得るものはあるはずですが、費用をかけずに自身が問いかけたいということであれば、次の方法があります。

倒産急増の理容店・美容室が生き残るためのポイント2:質問する相手を間違えない

 この経営者の理容店にご来店する方々は、数ある理容店の中から同店を選んだわけですから、来店理由は「髪を切りたい」だけではないはずです。「髪を切りたい」だけが来店理由であれば他店に行っても良いはずです。にもかかわらず当店にいらした理由を引き出すことは、ネットでの回答を得るよりも、今後の事業展開において非常に有効な情報を得られることになります。

 例えば「店主とおしゃべりをしたいから」「髪質の相談に乗ってくれるから」「営業時間外でも対応してくれるから」といった来店理由を得ることができれば、それをさらに強化し訴求していくという打ち手が見つかってくるはずです。

 中小企業が繁栄する鉄則は強みを活かすことです。この強みは自社で認識していないケースが非常に多いのですが、来店客から来店理由を得ることはそれに気付かせてくれる可能性を高めます。ただし、いきなり「当店の魅力は何ですか」「なぜ当店にいらしてくださったのですか」と訊かれても、顧客は戸惑うばかりです。そこで、次のような工夫を凝らす必要があります。

倒産急増の理容店・美容室が生き残るためのポイント3:質問の仕方を間違えない

 前述の経営者が顧客から引き出したい内容は以下の3つでした。

 ①どんな理容店に行きたいですか?
 ②料金はどのくらいだったら良いですか?
 ③どんなメニューがあったら嬉しいですか?

 このように、回答結果に制限のない質問をオープンクエスチョンと呼び、相手に深く考えさせることとなり、回答に時間がかかるため、答えることを諦めてしまうケースもあります。よって、この場合に有効なのは選択肢を与えて回答結果に制限を設けることです。例えば、以下の質問が考えられます。

 ①当店の営業時間は8:30~19:00です。この営業時間はあなたにとって、【とても便利】【便利】【不便】【とても不便】(いずれかに丸を付けてください)

 ②当店のカット料金は顔剃り、シャンプー含めて3,500円です。この料金はあなたにとって、【とても安い】【安い】【高い】【とても高い】(いずれかに丸を付けてください)

 ③当店では、プラス2,000円でヘッドマッサージを導入しようと考えています。この新メニューはあなたにとって、【とても魅力的】【魅力的】【魅力的ではない】【全く魅力的ではないない】(いずれかに丸を付けてください)

 このような質問が記載されたアンケート用紙を準備し、それぞれの質問に自由記入欄を設けておくと良いでしょう。退店時にお渡しして次回にご記入の上、持参いただけたら何らかのサービスを提供することで回収率が高まるはずです。

 今回のコラムでは、倒産急増の理容店・美容室が生き残るためのポイントとして、1.質問の手段を間違えない、2.質問する相手を間違えない、3.質問の仕方を間違えない、を挙げました。

 重要なことは、顧客に質問をしても、顧客は正解を与えてくれないということです。ただし、正解に結びつくヒントはたくさん与えてくれます。顧客の声を踏まえて、自店なりの正解を導き出し、打ち手を探すことがポイントとなります。

メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓

ロードサイド経営研究所メールマガジン登録フォーム(無料)

電子書籍のご案内

 1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円

タイトルとURLをコピーしました