ガソリンスタンドのタイヤキャンペーンを成功させる3つの手法

客単価向上

 複数のガソリンスタンドを運営する会社に勤務する、ある店長が発した以下の質問に触れる機会がありました。

 その店長が任せられているガソリンスタンドでは、現在タイヤキャンペーン中で、期間中は通常価格の30%オフで販売しているとともに、5倍のTポイントが溜まります。ところがキャンペーンを開始しても、思うようにタイヤが売れていかず、このままではキャンペーン期間中の販売目標は未達になってしまいます。

 キャンペーン期間は2週間ですが、どうすれば販売目標を達成できるのか、というご質問です。そこで、今回のコラムでは、ガソリンスタンドのタイヤキャンペーンを成功させる手法を見ていきます。

ガソリンスタンドのタイヤキャンペーンを成功させる手法1:期間限定を訴求する

 人が限定品に弱いのはスノップ効果が効いているから、と言われます。スノップ効果とは、多くの人が持っている商品には大した価値がないと考え、自分は同じ商品を持ちたくない、あるいは他の人とは違う希少価値のある商品を持つことで満足感を得たいという心理に基づき、少数の人しか得られない商品・サービスの需要が大きくなる効果を指します。

 これに基づくと「タイヤ30%オフ!Tポイント5倍!〇月〇日まで」という期間限定を強調した告知をすることに効果が見込めるということになります。これを店頭のポスター、看板、ハンドアウトチラシ、新聞折り込みチラシ、メルマガなど、自店がとり得るあらゆる告知媒体で実施する必要があります。

 なお、告知に使う効果的なキャッチコピーの作り方に関しては、以下のコラムを参考にしてください。「何か気になる…」求人広告キャッチコピーを作る5つの方法

ガソリンスタンドのタイヤキャンペーンを成功させる手法2:予約者の名前を掲示する

 私がよくその前を通る飲食店は、店頭に「本日のご予約」という看板があり、常に複数の予約者の名前がカタカナで書かれており、いつも賑わっています。この複数の予約者の名前が書かれている看板は、バンドワゴン効果を狙っています。

 バンドワゴン効果は、前述のスノップ効果と相反する概念で、他人の消費が増加していくほど、自分自身の需要が喚起されるという効果です。「みんなが持っているから自分も持たなきゃ」と思わせる効果であり、この飲食店では、多くの予約者の名前を看板に記載することにより、新たな入店者を呼び込む効果を狙っています。

 これを冒頭のガソリンスタンドにあてはめると、タイヤキャンペーン中に前金を入れていただければ、キャンペーン価格で販売することとして予約を受け付け、予約者名を店頭看板に記載したり、予約者名が書かれた紙を貼ることが考えられます。ただし、店頭から目の届きにくいところに貼っても効果は見込みにくいのでご留意ください。

ガソリンスタンドのタイヤキャンペーンを成功させる手法3:タイヤの空気圧を点検する

 人は何かをしてもらうとお返しに何かをしてあげようとするもので、これを返報性の原理と呼びます。タイヤの販売をするということは、溝がすり減ったタイヤを見つけなければなりませんが、これを単なる目視点検で済ませるのと、タイヤの空気圧を点検して、溝の有無を点検するのでは、その後の販売のしやすさが段違いに変わってきます。

 つまり「せっかく空気を見てもらったのだから…」と思わせることで、タイヤ販売を有利に進めることが可能になるということです。

 今回のコラムでは、ガソリンスタンドのタイヤキャンペーンを成功させる手法として、1.期間限定を訴求する、2.予約者の名前を掲示する、3.タイヤの空気圧を点検する、を挙げました。それぞれの取組みには意味があります。なぜ、それらの取組みをするのかを理解し、共有して販売を促進させていきましょう。

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