マーケティングに活用したいマスク騒動における3つの消費者心理

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 新型コロナウイルスの影響でマスクの品薄状態が続いています。今、マスクを買う人に、なぜマスクを買うのかと尋ねると、当然「コロナウイルスに感染したくないから」と答えるはずです。

 では、マスクを売る人に、なぜマスクが売れるのかと尋ねた場合、「コロナウイルスに感染したくない人がたくさんいるから」で片づけていては、今回のマスク騒動を今後の事業展開に活かすことは困難でしょう。

 今回のコラムでは、マスク騒動の消費者心理を検証し、今後のマーケティング活動にどう活かすべきかを見ていきます。

マーケティングに活用したいマスク騒動における消費者心理1:消費者は多くの人が買うから買っている

 普段はマスクをしないのに、街に出ると多くの方がマスクをしており、不安になって買ってしまう消費者が多くなる、つまり、【多数が買っているから自分も買いたくなる】心理をバンドワゴン効果と言います。

 バンドワゴンとはパレードの先頭車両を指しており、「バンドワゴンに乗る」とは、時流に乗る、流行の最先端を走る、といった意味合いがあります。そこで、店舗のメニューに【人気ナンバー1!】と添え書きをしたり、POPに【1日で〇個も売れた】などと掲載すると、バンドワゴン効果により、売れる可能性が高まります。

マーケティングに活用したいマスク騒動における消費者心理2:消費者はマスクの数が少ないから買っている

 マスクが品薄状態であり、入荷してもすぐに売れてしまうことは消費者も知っているわけです。このような状況なのでマスクの需要が高まるといった、【限定品は需要が高まる】効果をスノップ効果と言います。

 スノップとは「気取り屋」「嫌味な人物」といった意味合いから、他人と同じものを持ちたくない考えを持つ人を指しますが、店舗のメニューに【限定〇名様限り】と添え書きをしたり、POPに【現品限り】などと掲載すると、スノップ効果により、売れる可能性が高まります。

マーケティングに活用したいマスク騒動における消費者心理3:消費者はリスクを回避するために買っている

 買い物は、それを買うことにより【今以上に生活が良くなる】ことを期待するケースと、それを買うことにより【現在の生活を維持する】ことを期待するケースがあります。マスクをすれば、それをしない状態よりは、コロナウイルスに感染する可能性は低くなりますから、マスクの購入は後者に該当します。そして、消費者は前者よりも後者の気持ちが強いとするのがプロスペクト理論です。

 例えば、以下の2つの選択肢があった場合にどちらを選ぶ人が多いでしょうか。

 <選択肢A>100%の確率で90万円がもらえる
 <選択肢B>90%の確率で100万円がもらえる

 多くの方が確実にもらえる<選択肢A>選ぶはずです。つまりリスクは回避したがるということです。では、以下の2つの選択肢があった場合にはどちらを選ぶ人が多いでしょうか?

 <選択肢C>100%の確率で90万円を失う
 <選択肢D>90%の確率で100万円を失う

 多くの方が100%損をするよりは、リスクが少しでも低い<選択肢D>を選ぶはずです。

 私がガソリンスタンドの運営会社に勤務し、現場で店長を務めていた頃に、タイヤの販売を促進するために、店頭に破裂したタイヤを飾ったところ、タイヤが売れ出したことがあります。これは、タイヤのトラブルによる走行不能というリスクを避けたいという心理が働いたからです。

 以上より、商品をお勧めする際に、それを購入することで回避できるリスクを訴求すると効果が高まりやすくなります。

 今回のコラムでは、マーケティングに活用したいマスク騒動における消費者心理として、1.消費者は多くの人が買うから買っている、2.消費者はマスクの数が少ないから買っている、3.消費者はリスクを回避するために買っている、を挙げました。

 これらは、消費者が購買を決定する【理由】です。私たち売り手側としては、効果的な理由を訴求することにより、販売が促進されていくことを今回のマスク騒動から学んでいきたいものです。

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