自店の強みを発見するための3つの事例

現状分析

 取り扱う商品・サービスが競合と変わらなければ価格競争が始まります。結果として、競合が値下げすれば自店も値下げという負のサイクルが回りだし、収益性が悪くなるという泥沼に陥ります。

 これを回避するには、取り扱う商品・サービスを競合と変える必要があります。そのためには、取り扱っている商品・サービスに競合が付けることができない価値を付加する必要があります。

 この付加価値の源泉となるものが自店の強みです。この強みは、経営者の経歴に潜んでいるケースが多いのですが、今回のコラムでは、弊社がご支援したことにより、自店の強みを発見することに成功し、価格競争の泥沼に陥らないで済んだ事例をご紹介します。

自店の強みを発見するための事例1:スポーツ用品店

 この店舗は、地元の学校制服を取り扱っていますが、この制服を取り扱う競合は地域に多数ありました。生徒の保護者としては、どの店舗で買っても品質が変わらないので、安い店舗の制服が売れていきます。そこで、割引券を配布したり、購入したらクオカードを差し上げることを告知したりといった形で価格競争が繰り広げられていました。

 これを踏まえ、このスポーツ用品店の話を伺うと、代表はゴルフ歴が20年以上あること、代表の兄はプロゴルファー、代表の父親はアマチュアゴルフの第一人者という【ゴルフ一家】であることが分かりました。

 そこで、制服をご購入いただいたら、3回にわたって地元のゴルフ練習場で、このゴルフ一家が無料レッスンを行うこととしました。トレーナーは、初回は代表、2回目は兄、3回目は父というローテーションです。これでゴルフに興味を持つようになるとゴルフ用品が売れていきます。制服だけでなく、ゴルフ用品も売れていく仕組みになりました。

自店の強みを発見するための事例2:エステティックサロン

 このエステティックサロンの経営者は、学生時代に【女子陸上競技の日本記録】を出したことがありました。よって陸上競技界では高い知名度を誇っていましたが、プレッシャーや様々な制約が彼女の生活から自由を奪っていきました。

 そこで、彼女は陸上競技から距離を置くことにして、エステティックサロンを開業しました。ですが彼女の強みは、やはり陸上です。しっかり過去と向き合っていただいた上で打ち出したのが「元日本女子陸上代表によるパーソナルトレーニング」という痩身メニュー。ストレッチや無理のない運動をアドバイスして、美しくなっていただくというものです。

 痩身メニューは多くのエステティックサロンで実施していますが、陸上競技の元日本代表が寄り添って指導してくれるエステティックサロンはないため、差別的優位性が構築できました。

自店の強みを発見するための事例3:ラーメン店

 このラーメン店は、新メニューを開発しても競合に真似されてしまう悩みを持っていました。そこで経営者の経歴を伺うと、大学生時代に【学習塾】でアルバイトをしており、そのままその【学習塾】に就職、そしてラーメン好きが高じてラーメン店を経営するようになったことが分かりました。

 そうすると「学習塾出身の店長が提供する合格ラーメン」というメニューができることが分かります。通常のとんこつラーメンに、記憶力に好影響を及ぼすとされる「魚粉」、身体の成長に好影響を及ぼすとされる「海苔」、精神の安定に好影響を及ぼすとされる「きくらげ」の他、験担ぎで「トンカツ」をトッピングします。

 このレシピは真似されても、「学習塾出身の…」という打ち出し方は真似されません。もっとも、ここまで尖ってしまうとレシピ自体も真似されませんでした。

 今回のコラムでは、自店の強みを発見するための事例として、スポーツ用品店、エステティックサロン、ラーメン店の事例を挙げました。これらを参考に、自社にあるはずの強みに気付いていただけたらと思います。

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