小規模事業者持続化補助金で出張美容を展開した美容室の事例②

小規模事業者持続化補助金

 客観的な視点で外部環境を把握することにより、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。

小規模事業者持続化補助金「美容室」採択のポイント

 小規模事業者持続化補助金を活用して、移動式シャンプーユニットの導入、ホームページ・パンフレットの作成費用を調達するために、美容室の経営者が予め記載してきた計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。

 今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<経営計画>内の「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

事前に書かれてきた内容

 同店が事前に書かれてきた内容は概ね以下となっていました。

 【顧客ニーズ】

・高齢化により遠出を敬遠するようになり、自宅から徒歩圏内の美容室を使いたいというニーズが高まっている。
・加齢による病気療養や介護施設の入所で外出が困難になり、来店できなくなった既存顧客が徐々に増え、自宅や施設へ出張美容サービスをしてほしいとの声がある。
・高齢化により外出できない親御さんの米寿や喜寿などハレの日のために出張美容サービスをしてほしいというニーズが増えている。
・出張によるサービスであっても、プロの美容師ならではの質の高いシャンプーをして欲しいというニーズがあるが、当店に道具がなく提供できないでいる。

【市場の動向】

 当市の人口・高齢化率・要介護認定者、店舗周辺地域の人口、国内・当市の免許返納者数に関する関する内容

【競合他社】

 競合7店舗の当店からの距離、主な顧客、料金、特徴、脅威の度合いに関する内容

 これらの内容をブラッシュアップしていきます。

見出しの階層を意識する

 前述の通り、同店は当欄に【顧客ニーズ】【市場の動向】【競合他社】と見出しを付けていましたが、これの適切性に疑問を抱きました。タイトルが「2.顧客ニーズと市場の動向」ですから、まず見出しとして【顧客ニーズ】【市場の動向】を設けるべきでしょう。

 そして、【市場の動向】の中に<人口の動向><高齢化の動向><競合他社の動向>と小見出しを設けると見出しの階層が一致して説得力が高まります。

補助金ありきの発想を捨てる

 同店は、出張による美容サービスを提供するために、移動式シャンプーユニットを導入し、その告知対策としてホームページ・パンフレットを作成するために、小規模事業者持続化補助金を活用したいと考えています。

 そのターゲットは高齢者なわけですが、【顧客ニーズ】も【市場の動向】もそのターゲットに偏りすぎている印象を受けました。これは、補助金ありきという意識が強すぎる状態のままで計画書に向き合った結果です。

 同店を訪れる主要顧客層は50代ということですから、このようなメイン顧客層の【顧客ニーズ】や、一世帯あたりの美容室向けの支出などの【市場の動向】も盛り込むべく、客観的な視点から外部環境を分析していただきました。

 また、【顧客ニーズ】に「出張によるサービスであっても、プロの美容師ならではの質の高いシャンプーをして欲しいというニーズがあるが、当店に道具がなく提供できないでいる。」とあります。

 同店は、この「道具」である移動式シャンプーユニットを補助金で買いたいわけですが、このような記述は「道具がない」という弱みを述べていることになりますので、「…というニーズがある」で止めておいた方が良いでしょう。

根拠を盛り込む

 前述の通り、同店では【市場の動向】として、当市の人口・高齢化率・要介護認定者、店舗周辺地域の人口、国内・当市の免許返納者数を記載していましたが、免許返納者数のみ、裏付けとなる統計データが示されていませんでした。

 それ以外の【市場の動向】は裏付けがあるだけに、「都合の良い解釈を事実として述べているのではないか」と見る向きもあるかもしれません。根拠はしっかり盛り込み、盛り込めない内容は、【市場の動向】として示さないようにしていただきました。

 このようにして「顧客ニーズと市場の動向」をブラッシュアップしていきました。次回は「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見ていきます。

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