小規模事業者持続化補助金で新規顧客を開拓した美容室の事例①

小規模事業者持続化補助金

 自店を丁寧に紹介することにより、小規模事業者持続化補助金に採択される可能性が高まります。

1.小規模事業者持続化補助金「美容室」採択のポイント

 小規模事業者持続化補助金を活用して、店舗のバリアフリー化と洋服や小物類販売に関する費用を調達するために、ある美容室の経営者が作成した計画書を採択レベルにブラッシュアップしていったプロセスをご紹介していきます。

 今回は、下図の赤枠部分、様式2-1<経営計画>内の「1.企業概要」を見ていきます。

(1)書かれてきた内容を整理する

 事前に書かれてきた内容の中で重複する部分を削除するなど整理をした結果、概ね以下の内容となりました。

 【沿革】○○年設立のヘアサロン。

 【立地】△△県南部に位置する▽▽市に立地する。□□道◇◇インターチェンジに近く、前面道路の交通量は多い。

 【店舗規模】席数4。

 【スタッフ】夫婦2人。

 【顧客構成】20代〜80代、自分のスタイルにこだわりをもち、おしゃれなご年配の方も多い。

 【営業時間・日】月曜・第一火曜・第三日曜定休、10:00〜20:00。

 【メニュー・取扱商品】カット、カラー、パーマ、トリートメント、化粧品、作家作品の展示販売。

 【売上総額の大きいメニュー】

 1位 カット 45%

 2位 カラー 30%

 3位 パーマ 20%

 4位 縮毛矯正5%

これらの内容をブラッシュアップしていきます。

(2)沿革を丁寧に書く

 同店は、創業後10年以上が経過していました。その間には様々なことがあったと思います。【沿革】という見出しを設けているのであれば、創業からこれまでのトピックスを掲載すると、読み手は同店への理解が深まります。具体的な例としては、売上◎◎円突破、新メニュー追加、店舗改装、新設備導入、などが挙げられます。

(3)リアリティを訴求する

 【立地】を訴求するには、地図を有効活用しましょう。△△県の地図、▽▽市の地図、そして当店の地図を掲載すると、その方面に土地勘のない読み手も理解しやすくなります。

 また【店舗規模】【スタッフ】という見出しを設けるのであれば、店舗内外装の写真やスタッフであるご夫婦の写真も載せるとリアリティが訴求できます。

(4)違和感を排除する

 【メニュー・取扱商品】の中に「作家作品」がありますが、一般的な美容室では販売しているものではありません。そこで、なぜその作家の作品を展示販売するようになったのか、説明を盛り込むことにより、読み手の抱く違和感が解消でき、結果として理解しやすい計画書になるでしょう。

 また【売上総額の大きいメニュー】を4つ挙げており、それらの売上に対する構成割合を示しています。この4つの構成割合を合計すると100%になり、この4つのメニューで売上のすべてを占めていることになりますが、これが事実とは捉えにくく、違和感を抱かれてしまう可能性があるため、再考していただきました。

(5)記入例に忠実に書く

 前述の【売上総額の大きいメニュー】は、日本商工会議所、全国商工会連合会が公表している下記の記入例を意識したものだと思います。

 この図では売上の構成割合ではなく、金額を示しています。せっかく記入例を意識したのですから、それにならって金額を記載したいところです。もし、メニューごとの金額を把握していないのであれば、経営者の感覚でも結構ですので、金額を記載することをお勧めします。

 このようにして、様式2-1<経営計画>内の「1.企業概要」をブラッシュアップしました。次回のコラムでは、「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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