小規模事業者持続化補助金に採択!弁当店の事例(その7)

小規模事業者持続化補助金

 販路開拓に要する費用の3分の2、上限50万円(原則)を補助する小規模事業者持続化補助金に採択されるには、計画書(様式2,3)の審査に通過する必要があります。当シリーズでは、初めて当補助金に応募し、採択された弁当店が、どのようにして採択レベルの様式2を作成したかを見ていきます。

 シリーズ7回目の当コラムでは、下図の赤囲み部分、様式2<補助事業計画>の「③補助事業計画の有効性」について見ていきます。なお、当時の小規模事業者持続化補助金に応募する様式と現在の「令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金」の様式は若干体裁が違いますので、現在の様式に合わせて解説をしていきます。

「審査の観点」

 全国商工会連合会日本商工会議所が公表している「公募要領」のP53~54に下図の「審査の観点」が掲載されています。このうち、赤囲み部分が<補助事業計画>における審査の観点と読めます。

 この赤囲み部分の中の「③補助事業計画の有効性」は、<補助事業計画>の「2.販路開拓等 (生産性向上)の取組内容」「4.補助事業の効果」に該当しますので、これを意識しながらブラッシュアップしていきます。

「整理」と「整頓」

 同店が書かれてきた内容は非常に長い文章で構成されていましたので、まずは箇条書きにし、不要な部分の削除、つまり整理すると以下のような形となりました。

 ①当店が立地する地域では少子高齢化が進んでいる。
 ②冷めても美味しく食べられるように、当店は、5年前よりお米の研究をしてきた。
 ③他店より約50円高めの設定になっているが、お客様からは高い評価を得ている。
 ④小回りの効く個人店ならではのサービスを追求したい。
 ⑤もっと広範囲のお客様に食べて頂きたい、美味しいをお届けしたい。
 ⑥インターネットによる受注システムを構築。
 ⑦お客様の注文の内容(単価、用途、年齢層など)への対応をスムーズにする。
 ⑧ホームぺージで広範囲のお客様へアピールし、当店を見つけやすくする。
 ⑨他地域からの大口注文により、売上の増加を図る。

 整理をしたら、それぞれの「置き場所」を考えます。つまり整頓をします。
 ①→<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」へ
 ②③→<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」へ
 ④⑤→<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」へ
 ⑥⑦⑧⑨→<補助事業計画>「2.販路開拓等 (生産性向上)の取組内容」

 そして、⑥~⑨について、公募要領を意識して記載していくこととなります。

記載の切り口

 ここでお勧めしているのは、「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」の5W1Hで記載することです。

 今回の例ですと以下のように記載することができます。

 ◆いつ(When):採択通知後、即時
 ◆どこで(Where):□□市のIT企業〇〇社
 ◆だれが(Who):弊社代表が〇〇社へ発注
 ◆なにを(What):予約注文システムを搭載したホームーページ
 ◆なぜ(Why):①注文の内容(単価、用途、年齢層など)への対応をスムーズにするため、②広範囲のお客様へアピールし、当店を見つけやすくするため、③大口注文への対応により、売上の増加を図るため
 ◆どのように(How):弊社代表と〇〇社で打合せをし、提案書をいただく。弊社も更新が可能なホームーページとし、随時最新情報を発信できるようにする。

 ここまでまとめたら、次は「4.補助事業の効果」を検討しますが、上記の「◆なぜ(Why)」を深堀していくこととなります。次回のコラムはこの点を取り上げていきます。

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