小規模事業者持続化補助金に採択!弁当店の事例(その8)

小規模事業者持続化補助金

 初めて補助金に応募し採択された、その弁当店はどのような計画書(様式2)を作成したのか。事前に同店経営者が記入した様式2を採択されるレベルにブラッシュアップしていくプロセスを見ていくシリーズ、最終回となる今回は、下図の赤囲み部分を見ていきます。

箇条書きにする

 今回は<補助事業計画>の「4.補助事業の効果」を見ていくわけですが、同店が当欄に記載してきた補助金を使った効果は、他の欄と同様に長い文章で書かれていましたので、以下のように箇条書きに直します。

 ①週末における予約注文は2割の増加を見込むことができる。
 ②インターネットを通じて、より広範囲のお客様にアピールができ、当店の弁当をより沢山の方に食べて頂ける。
 ③当店へのアクセスのしやすさ、注文のしやすさが格段に上がり、大口注文の増加が見込める。
 ④ホームページによる受注システムの構築にあたって、75万円の初期投資(補助対象経費含む)が発生するが、1年程度で回収したいと考える。
 ⑤地域の常連様の為にも、しっかり当店を維持できるようにしたい。

 その上で、以下のようにブラッシュアップしていきます。

「3つの効果」を検討する

 商売が「売り手よし、買い手よし、世間よし」であることは、事業の持続性を高めることとなります。もちろん、公的資金である補助金を使う以上、公益性も検討しなければなりません。

 つまり、売り手のメリットとして【自社の効果】、買い手のメリットとして【顧客の効果】、世間のメリットとして【地域社会の効果】を検討するべきということです。

 この観点から、上記①~⑤を見ると【自社の効果】として①②がありますが、それ以外の効果は示されていないようです。まずは、①②をブラッシュアップします。

ヌケモレがないか

 効果として「①週末における予約注文は2割の増加を見込むことができる。」を示すのであれば、週末ではなく平日における予約注文や、予約注文ではなく飛び込み注文はどの程度見込めるのか、下図の観点から【自社の効果】をヌケモレなく検討します。

 また、「②インターネットを通じて、より広範囲のお客様にアピールができ、当店の弁当をより沢山の方に食べて頂ける。」ですが、後半部分の「当店の弁当をより沢山の方に食べて頂ける。」は①と重複しますので削除し、「②インターネットを通じて、より広範囲のお客様にアピールできる」とします。

原因と結果

 ③は意味が取りにくいため、同店経営者にヒアリングをし、その意図を明確にしていただき、以下のような表現に直していただきました。

 「③当店へのアクセスのしやすさ、注文のしやすさが格段に上がり、大口注文の増加が見込める。」
 →ホームページに当店の場所を分かりやすく掲載することにより、来店時に迷いにくくなる。
 →ホームページに同サイトからの注文方法を分かりやすく掲載することにより、注文の手間が省け、大口の注文もしやすくなる。

 これは「アクセスしやすくなる」、「注文がしやすくなる」それぞれにおいて、その原因とその結果を具体的に表現するということです。その結果、③は【顧客の効果】ということになります。

【地域社会の効果】とは

 ④⑤は効果と言えないので、削除するとともに、【地域社会の効果】を検討します。小規模事業者持続化補助金に採択!弁当店の事例(その5)で見たように、同店は原材料として地元の食材を使っていますから、同店の弁当が売れれば地元の食材提供業者が潤います。

 また、同店のホームページや、口コミからこの弁当を買うために地域外からの来店が増えれば、地元の他店も潤う可能性が高まります。

 多面的な視点で物事を検証することは、成果を出すために重要なことです。「補助事業の効果」も多面的な視点から検証し、小規模事業者持続化補助金の採択に繋げ、テイクアウトで大きな実績を挙げていただきたいと思います。

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