不正を働くアルバイトに人手不足でも厳しく接するべき3つの理由

人材育成

 あるコンビニエンスストアで働く主婦Aさん。日中に働いてくれるスタッフが少なく、オーナーとその妻、そしてAさんが日中のシフトを切り盛りしています。
 そんな中、高校を卒業したばかりのフリーターを2か月ほど前に採用することができ、シフトもだいぶ楽になってきました。

 ところが、このフリーターは以下の不正を行っていることにAさんは気付きました。

 ・廃棄の弁当・惣菜を持って帰る
 ・ドリンク売場の冷蔵庫の裏で、ドリンクを服の中に隠し、バックヤードのスタッフ用冷蔵庫に入れておき休憩時に飲む 
 ・昼休憩で勝手に揚げたチキンをバックヤードで食べる

 このことは、Aさんだけでなくオーナーも気付いていますが、見てみぬふり。というのも、このフリーターがシフトに入ってくれないと、日中のシフトがきつくなってしまうからです。

 Aさんはオーナーにそのフリーターに毅然とした態度で接するべきと進言するべきか、それとも自分も見てみぬふりするべきか、悩んでいました。

 今回のコラムでは、このような不正を働くアルバイトスタッフに、解雇もいとわない毅然とした態度で接しなければいけない理由について見ていきます。

人手不足でも厳しく接するべき理由1:正当に働くスタッフの退職を防ぐため

 不正を見過ごしていると正当に働くスタッフの従業員満足が低下し、退職に繋がりやすくなります。この従業員満足は、①標準化、②能力開発、③モチベーションの3つから構成されているとされます。

 そして、労働条件、人間関係、給与といった要因が低下すると、③のモチベーションが低下することが明らかになっています。
 【参考コラム】ベテラン社員のモチベーション

 不正を働くスタッフは、無料で店内商品を飲食しており、正当に働くスタッフよりも労働条件が良いことになります。それは、正当に働くスタッフの労働条件を相対的に悪化させることから、モチベーションが下がり、従業員満足の低下を経て退職が促進されてしまいます。

 よって、不正を見逃さずに、オーナーが毅然とした態度をとり、正当に働くスタッフの働きに報いる必要があります。 

人手不足でも厳しく接するべき理由2:不正の風土醸成を防ぐため

 不正を見逃し続けていると、不正をすることが当たり前の職場になっていきます。その状況は、組織風土として根強く残ることになります。組織風土は一朝一夕で出来上がるものではありません。よって、出来上がってしまうとおいそれと一掃はできなくなります。

 人材育成の組織風土がある職場は、進学・就職・引っ越しなどのためにアルバイトスタッフが頻繁に入れ替わっても、人材が育ちます。そのような良い風土であれば、より強化する必要がありますが、乱れた組織風土は、乱れた店舗運営になってしまうため、排除しなければなりません。

人手不足でも厳しく接するべき理由3:金銭的な被害の拡大を防ぐため

 廃校になった校舎にある多数の窓ガラスの1枚にちょっとしたヒビが1本入ったとします。するとこれに端を発し、ガラスがどんどん割られていきます。これをブロークン・ウインドウ理論と言います。

 あるガソリンスタンドでは、アルバイトスタッフが出来心で1,000円をレジから自分のポケットに入れてしまいました。毎日、社員が現金売上高と現金在高が一致するかどうか確認していますが、特に騒ぎ立てることはありませんでした。

 そこで、このアルバイトスタッフは、また1,000円、次は5,000円と、ポケットに入れる金額とその頻度が高くなっていき、最終的には、累計30万円ものレジ金を横領してしまい、店長の裁量でどうにでもなる額ではなくなってしまいました。

 結果としてそのアルバイトスタッフに弁償してもらいましたが、そのまま行方をくらましてしまわれたら、このガソリンスタンドは大きな損失を被ったことになります。物であれ金であれ、少しの不正を見逃してはいけないということです。

 今回のコラムでは、不正を働くアルバイトに人手不足でも厳しく接するべき3つの理由として、1.正当に働くスタッフの退職を防ぐため、2.不正の風土醸成を防ぐため、3.金銭的な被害の拡大を防ぐため、を挙げました。

 人手不足だからといって、アルバイトスタッフの不正を見て見ぬふりをして接することは、中長期的な弊害が起こる可能性が高まります。経営者・管理者は、目の前の人手不足という短期的な視点だけに囚われない必要性があると言えるでしょう。

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