「ONE TEAM」からガソリンスタンドの茶髪問題を考える

組織力強化

「ONE TEAM」が選ばれた理由

 今年の新語・流行語大賞は「ONE TEAM」に決まりました。説明するまでもありませんが、ラグビーW杯でベスト8に進出した日本代表チームのスローガンです。

 新語・流行語大賞の公式サイトでは「7カ国15人の海外出身選手を含む31人はリーチマイケル主将を中心に桜の戦士ONE TEAMとして結束し、快進撃を続けた。ONE TEAMは、世界に広がりつつある排外的な空気に対する明確なカウンターメッセージであるとともに、近い将来、移民を受け入れざるを得ない日本の在り方を示唆するものとなった。」としています。

 これを読んだ私は、以前勤務していたガソリンスタンド運営会社で起こったある事件を思い出しました。

茶髪禁止を徹底した結果

 その会社は、当時首都圏に40のガソリンスタンドを展開しており、スタッフに対して茶髪を禁止していましたが、人手不足の現場において、そのルールの徹底は曖昧になっていました。

 そんな中、経営陣が今一度、茶髪禁止を徹底するように店長会議で強く指示を出しました。これを受け、傘下のガソリンスタンドのある店長が茶髪禁止を自店のスタッフに強く指示したところ、ある茶髪スタッフが現在の髪の色は生まれつきであることを主張しました。

 ルールはルールだと引かなかった店長に対し、そのスタッフの親が「人権侵害ではないか」と店長に申し入れ、本社を巻き込んで一大騒動になり、最終的に会社側が折れることとなりました。このような事例は恐らく枚挙に暇がないはずですが、次のような事件もあります。

府立懐風館高校における頭髪に関する訴訟

 大阪府羽曳野市の府立懐風館(かいふうかん)高校に入学したある茶髪の女子生徒も、その髪の色は生まれつきのものでした。これに対し、学校側は生徒の入学後、1~2週間ごとに黒く染めるように指導し、2年の2学期からは4日ごとに染めるように指導した結果、度重なる髪の毛の染色で生徒の頭皮はかぶれてしまいました。

 また、指導の際にこの女子生徒はストレスによる過呼吸で倒れ、救急車で搬送されたこともありました。さらには、茶髪を理由に文化祭や修学旅行に参加させてもらえませんでした。このような背景の中、2017年10月、この女子生徒は約220万円の損害賠償を府に求める訴えを大阪地裁に起こしました。

茶髪禁止の目的

 そもそも、ガソリンスタンドにおける茶髪禁止の目的として、幅広い客層が訪れるガソリンスタンドにおいて、スタッフが茶髪であるということに良い印象を抱かない顧客もいる、ということが挙げられると思います。つまり、顧客離れを引き起こさないため、ということです。

 しかし、今のご時世で茶髪のスタッフが働いているから、もうあそこのスタンドには行かない、という顧客がどれだけいるのでしょうか。

 話は変わりますが、多くのガソリンスタンドでは、スタッフにユニフォームの着用を義務づけています。ユニフォームという言葉は「ユニ(統一の)」と「フォーム(形)」から成り立っており、働くスタッフの統一感を醸成させ、訴求する目的があります。

 とはいうものの、生まれつきの頭髪の色まで統一させるのは、やはり行き過ぎの感があります。今後、外国人労働者の受け入れが進む中、頭髪の色だけでなく、肌の色、瞳の色まで違うスタッフが働くことも考えると、今回の新語・流行語大賞を受賞した「ONE TEAM」は、統一すべき優先順位が高いものは、は見た目ではなく、気持ちであることを認識させてくれるのではないでしょうか。

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