借入は是か非か
先日、あるロードサイド店舗の経営者から、以下の質問を受けました。
儲かったらお金をかけてホームページ作成などの販売促進をしようと思ってこれまでやってきたが、いつまで経っても儲からないので、借金をして広告宣伝費を調達しようかと思っている。しかし、「借金」という響きは、お金が足りない人がやむなくとる手段という悪い印象があり、抵抗を感じる。借入することは正しいことなのでしょうか。
キャッシュを得る方法
私たちは、利益を稼ぎキャッシュを得るために仕事をしているという側面があります。では、ビジネスを展開してキャッシュを得るための方法は、大きく「稼ぐ」、「借りる」、「とる」、といった3つの方法があります。
このうち、現時点でキャッシュを「稼ぐ」ことができないのであれば、「借りる」か「とる」かしかありません。「とる」という方法も「盗る」のは犯罪ですから、補助金などを合法的にとってこなければなりません。
とはいえ、補助金は公募期間がありますし、いったんは立て替えしなければなりません。そうすると「借りる」という方法にならざるを得ないわけです。
なぜ住宅ローンを使うのか
さて、多くの方が自宅を購入する場合に、住宅ローンを利用していると思います。なぜ、住宅は借金で買うのでしょうか。言うまでもなく、キャッシュで買えるようになるまで待っていてはいつまで経っても家が買えず、買った家での充足した生活をいつまで経っても享受できないからです。
事業資金の借入も同様です。払えるお金が貯まるまで待っていては、そのお金から得られる収益がいつまで経っても得られない。だから、借入で先に資金を調達して、早期に収益を得るのです。
問題は借入の有無よりも使い方
ここまで見た上で、借入は是か非か、という質問に戻りますと、借入することよりも、その借入金で収益をあげる確率が高いかどうかが、是非の判断基準であることが分かります。
借入金を使うことにより、「お金が貯まり、収益をあげるまでの時間」を買うわけですから、借入金で収益を伸ばすことができるなら、その借入は「是」ということになります。借入金が投資になる、とも言えます。
反面、借入金で収益を得ることができなければ、その借入は「非」ということになります。借入金が費用になる、とも言えます。
そして、その是非を判断するために、事業計画の立案が必要になります。よって、借入の是非をしっかり検討するということは、中長期的視点で経営を行うことにつながるのです。
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