持続化補助金で新製品開発と広告宣伝を実施した鞄店の事例③

小規模事業者持続化補助金

 同店は、関東圏内で鞄・バッグの製造と販売をしていますが、新製品を開発してラインナップを拡げるとともに、販路拡大のためにパンフレットを作成したいと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達しようと、応募用の計画書を作成しました。

 弊社は、この計画書をブラッシュアップする支援を行い、当補助金に応募した同店は採択されました。今回のコラムは、同店が作成した持続化補助金応募用の計画書をどのようにブラッシュアップしたのか、そのポイントを見ていくシリーズの3回目です。

 以下は、小規模事業者持続化補助金<一般型>に応募する際に作成する資料ですが、今回のコラムでは、その赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について見ていきます。

 なお、当コラムの内容は<低感染リスク型ビジネス枠>にも応用できますので、そちらに応募を予定されている方もご参考にして下さい。

1.「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方

(1)当欄を2つに切り分ける

 同店が当欄へ事前に記載されてきた内容は「同店経営者の強み」と「取扱っているバッグの強み」に分類できましたが、これらが混在した状況になっていました。そこで当欄のタイトルを踏まえた【自社の強み】と【自社の提供する商品の強み】という見出しを設けて内容を整理していただきました。

 なお前回のコラムでも見たように、弊社では「強み」を「顧客に価値を提供でき、差別的優位性のある経営資源」と定義しています。経営資源は、人・物・金・情報から構成されますので【自社の強み】として、人的・物的・財務的・情報的資源の強みを、【自社の提供する商品の強み】として「物的資源」の商品に関する強みを記載していただきました。

 このように【自社の強み】の切り口が増えたことで、新たに見出した強みも増加することとなりましたが、ここまでの強みの分類をまとめると下表のようになります。

(2)「それはなぜ?」を意識する

 同店が記載されてきた内容のひとつに、「伝統工芸の確かな技術による上質な素材が活用されている」という記載がありました。この場合、なぜそのような上質な素材を活用できるのかという点が強みとなります。

 それは、上質な素材を提供できる業者との関係性があるからなのかもしれませんし、そのような素材を扱うことのできるノウハウがあるからなのかもしれません。上質な素材が活用されていることは結果であり、それをもたらすことのできる経営資源が同店の強みとなることを認識していただき、再検討していただきました。

(3)記載するべきことを記載するべき場所に記載する

 同店が記載されてきた内容のひとつに、「今後、外国人の意見も取り入れた商品開発も行っていきます」という「強み」ではなく「今後の方針」に関する内容の記述がありましたが、これは当欄の次にある「経営方針・目標と今後のプラン」に記載するべき内容ですので、そちらへ移動していただきました。

 水着を着た美女が海辺に佇む姿は絵になります。ですが、水着を着た美女が葬儀場に参列していたら違和感を抱かれることは想像に難くありません。水着は海辺で着るべきものであり、葬儀場で着るものではないことは自明の理です。

 「経営方針・目標と今後のプラン」に記載するべきことを「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に記載することは、葬儀場に水着で参列する美女のように、違和感を抱かれ、それは説得力の低下を招くリスクがありますので留意したいところです。

 このようにして同店は、前回のコラムでご紹介した「2.顧客ニーズと市場の動向」に引き続き、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」をブラッシュアップしましたが、次回のコラムでは「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

 弊社の1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓

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