持続化補助金で店舗改装資金を調達した衣料品店の事例④

小規模事業者持続化補助金

 その衣料品店は、創業以来70年以上の業歴を重ね、地域密着型の事業展開をしてこられました。そして、店舗の立地場所近辺には、公共施設や公衆トイレがないことから、衣料品を買いに来られた方以外にも、トイレを借りたいというご要望が多い状況でした。

 ただし、同店のトイレは店舗建設当初からの和式トイレとなっており、不便さを感じる顧客もおりました。そこで今以上に顧客満足度を向上させるために、トイレを洋式に改修するという店舗改装をしたいと考えるようになりました。

 その費用を小規模事業者持続化補助金で調達しようとした同店に対して、弊社は当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として無事採択されましたが、どのように計画書をブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。

 第4回目の今回は、様式2-1<経営計画>の「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方について見て行きます。

1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像

 まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締切日までに送付する必要があります。

  • 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
  • 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
  • 様式3-1 補助事業計画書②
  • 様式4 事業支援計画書
  • 様式5 補助金交付申請書

 このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。

2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像

 今回は、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①を見て行きますが、その構成は以下となっています。

  • <応募者の概要>
  • <経営計画>
  • <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容

3.<経営計画>の全体像

 今回は<経営計画>の内容を見て行きますが、その構成は以下となっています。

  1. 企業概要
  2. 顧客ニーズと市場の動向
  3. 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
  4. 経営方針・目標と今後のプラン

 今回のコラムでは、3.自社や自社の提供する商品・サービスの強みを見ていきますが、ここまでをまとめると、今回のコラムでは下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。

4.「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の書き方

 同店が事前に当欄に記載された来た内容は概ね以下のものとなっていました。

①3代続けて衣料品店を営んでいるため、幅広い顧客層が存在する。

②4代目への事業承継を10年内に実施する予定である。

③学生服の仕立て・採寸には、母親が同行し、その引取りには母親が来店されることが多いため、婦人服のアプローチがしやすい。 

 これらを以下の手順でブラッシュアップしていきます。

(1)強みを切り分ける

 当欄は「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」です。よって「自社の強み」と「商品・サービスの強み」に切り分けて記載すると両者が混同せず、読みやすくなります。

 さらに「自社の強み」は「人」「物」「金」「情報」に切り分けるとより良いのですが、その理由を以下に示します。

(2)言葉を定義する

 「強み」という言葉を弊社では「顧客に価値を提供でき、競合より優れている経営資源」と定義しています。この経営資源は、「人」「物」「金」「情報」から構成されます。それぞれを具体的に見ていくと以下になります。

  • 「人」つまり「人的資源」の強み:経営者・スタッフのスキルや経歴、保有する資格など
  • 「物」つまり「物的資源」の強み:店舗の立地、設備、什器など
  • 「金」つまり「財務的資源」の強み:無借金経営、内部留保、支払の遅延など
  • 「情報」つまり「情報的資源」の強み:受発信している情報、ノウハウなど

 これらの切り口から強みを洗い出します。前述の通り同店は強みを3つしか挙げていません。小規模事業者が事業展開する際の鉄則は、強みを活かすことですので、強みはたくさん挙げることで活かせる武器が増えることになります。

(3)「だから何?」を問いかける

 同店が事前に記載された内容に「①3代続けて衣料品店を営んでいるため、幅広い顧客層が存在する。」とありますが、「3代続けて衣料品店を営む」ことと「幅広い顧客層が存在する」ことに直接的な因果関係が見出せません。3代にわたって事業展開をしても幅広い顧客層を維持できない事例もあるでしょう。

 さらには、「幅広い顧客層」が存在する直接的なメリットも記載すると説得力はより向上します。

 例えば「3代続けて衣料品店を営んでおり、歴代の経営者が顧客の確保・維持に積極的であったため、固定化された幅広い客層が存在し、特定顧客の離反による業績に対する影響が小さい」とすると同店の強みは「歴代の経営者が顧客の確保・維持に積極的である」という人的資源の強みが理解でき、その効果としてリスク回避ができることが読み取れます。

 このようにして、「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」をブラッシュアップしていただきましたが、次回のコラムでは「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。

5.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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