持続化補助金で店舗改装資金を調達した衣料品店の事例③

小規模事業者持続化補助金

 その衣料品店は、創業以来70年以上の業歴を重ね、地域密着型の事業展開をしてこられました。そして、店舗の立地場所近辺には、公共施設や公衆トイレがないことから、衣料品を買いに来られた方以外にも、トイレを借りたいというご要望が多い状況でした。

 ただし、同店のトイレは店舗建設当初からの和式トイレとなっており、不便さを感じる顧客もおりました。そこで今以上に顧客満足度を向上させるために、トイレを洋式に改修するという店舗改装をしたいと考えるようになりました。

 その費用を小規模事業者持続化補助金で調達しようとした同店に対して、弊社は当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として無事採択されましたが、どのように計画書をブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。

  第3回目の今回は、様式2-1<経営計画>の「2.顧客ニーズと市場の動向」のうち「市場の動向」の書き方について見て行きます。

1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像

 まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締切日までに送付する必要があります。

  • 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
  • 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
  • 様式3-1 補助事業計画書②
  • 様式4 事業支援計画書
  • 様式5 補助金交付申請書

 このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。

2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像

 今回は、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①を見て行きますが、その構成は以下となっています。

  • <応募者の概要>
  • <経営計画>
  • <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容

3.<経営計画>の全体像

 今回は<経営計画>の内容を見て行きますが、その構成は以下となっています。

  1. 企業概要
  2. 顧客ニーズと市場の動向
  3. 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
  4. 経営方針・目標と今後のプラン

 今回のコラムでは、2.顧客ニーズと市場の動向のうち「市場の動向」を見ていきますが、ここまでをまとめると、今回のコラムでは下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。

4.「2.顧客ニーズと市場の動向」の「市場の動向」の書き方

 同店が事前に当欄に記載された来た内容は概ね以下のものとなっていました。

①休日における当店前の通行量は平日と比較すると、ほぼ倍となる。

②当店の学生服は、近郊の個人店に比べ多種類を揃えていることで、来店される方が多い。

③出生率の減少により、生徒数は減少傾向である。

④婦人服の需要は、人口減少傾向の中、平均寿命の上昇により、緩やかな減少に留まっている。

⑤市民の貯蓄高は県内1位といわれ、子供や孫に支出する費用は増加傾向にある。

⑥競合は、○○百貨店と、●●市指定制服協同組合の加盟店であるが、加盟店は事業者の高齢化と後継者難により減少傾向にある

 これらを以下の手順でブラッシュアップしていきます。

(1)書くべきところに書く

 前述①~⑥のうち、①は通行量が多い場所に立地しているということ、②は品揃えが豊富であるということですから、同店の強みと捉えることが可能です。よって、次回のコラムで見ていく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に移動していただきました。

(2)数値の裏付けをとる

 前述①~⑥のうち、③~⑤は「増加」「減少」というキーワードが盛り込まれていますが、この場合は数値的根拠が必要です。それがないと勝手な解釈で「増加」「減少」の判断をしていると捉えられても致し方ないと言えるでしょう。

 なお、③の出生率は内閣府のホームページから把握が可能です。

 また、④の婦人服の需要は統計局家計調査年報より1世帯あたりの婦人服に対する支出を調べるとともに、自治体のホームページより商圏内世帯数を調べ、そのかけ算で商圏内の市場規模を算出することが可能です。

 さらに、⑤の貯蓄高は統計局全国消費実態調査から地域別の貯蓄高を調べることが可能です。

(3)競合の分析を丁寧に行う

 前述の⑥は競合動向ですが、これは次回見ていく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を述べる際に重要な意味を持ちます。なぜなら「強み」は競合他社と比較した差別的優位性であるからです。よって、詳しく分析する必要があります。

 同店は競合として、○○百貨店と●●市指定制服協同組合の加盟店を挙げていますが、この加盟店をひとつひとつ洗い出し、社名・店名の他に「住所」「当店からの距離」「URL」「特徴」を一覧表にしていただきました。

 このようにして、「2.顧客ニーズと市場の動向」をブラッシュアップしていただきましたが、次回のコラムでは「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。

5.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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