持続化補助金で店舗改装資金を調達した衣料品店の事例⑤

小規模事業者持続化補助金

 その衣料品店は、創業以来70年以上の業歴を重ね、地域密着型の事業展開をしてこられました。そして、店舗の立地場所近辺には、公共施設や公衆トイレがないことから、衣料品を買いに来られた方以外にも、トイレを借りたいというご要望が多い状況でした。

 ただし、同店のトイレは店舗建設当初からの和式トイレとなっており、不便さを感じる顧客もおりました。そこで今以上に顧客満足度を向上させるために、トイレを洋式に改修するという店舗改装をしたいと考えるようになりました。

 その費用を小規模事業者持続化補助金で調達しようとした同店に対して、弊社は当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として無事採択されましたが、どのように計画書をブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。

 第5回目の今回は、様式2-1<経営計画>の「4.経営方針・目標と今後のプラン」の書き方について見て行きます。

1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像

 まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締切日までに送付する必要があります。

  • 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
  • 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
  • 様式3-1 補助事業計画書②
  • 様式4 事業支援計画書
  • 様式5 補助金交付申請書

 このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。

2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像

 今回は、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①を見て行きますが、その構成は以下となっています。

  • <応募者の概要>
  • <経営計画>
  • <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容

3.<経営計画>の全体像

 今回は<経営計画>の内容を見て行きますが、その構成は以下となっています。

  1. 企業概要
  2. 顧客ニーズと市場の動向
  3. 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
  4. 経営方針・目標と今後のプラン

 今回のコラムでは、4.経営方針・目標と今後のプランを見ていきますが、ここまでをまとめると、今回のコラムでは下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。

4.「4.経営方針・目標と今後のプラン」の書き方

 同店が事前に当欄に記載された内容は概ね以下のものとなっていました。

【経営方針】

 ご来店なさるお客様には、トイレを気持ちよくお使いいただけるようにし、顧客満足度100%を達成する。

【目標】

 洋式トイレで気持ち良くご利用いただけるように改修工事を実施し、利便性向上を図ることで、滞在時間が延長され、店内商品をご覧頂く機会が増え、売上拡大を図ることが出来る。

【今後のプラン】

 これらを以下の手順でブラッシュアップしていきます。

(1)見出しと内容の整合性を図る

 同店は【経営方針】【目標】【今後のプラン】と3つの見出しを設けていました。これは当欄のタイトルである「経営方針・目標と今後のプラン」を意識したものであり、非常に良いと思います。

 そして、それぞれの見出しとその下に書かれた内容に整合性を意識すると、より説得力の高い記述となります。

 例えば【経営方針】として「顧客満足度100%を達成する」とありますが、これは【目標】の見出しの下に置くべきです。また【目標】に「売上拡大を図ることができる」とありますが、これは<補助事業計画>の「4.補助事業の効果」に置くべきです。このように、見出しとその下の文章に整合性がとれるように意識する必要があります。

(2)目標の測定方法を検討する

 前述の通り「顧客満足度100%を達成する」は【目標】と捉えられますが、目標は達成することに意味があります。そこで、「顧客満足度100%」という目標の達成度をどのように測定するかを検討しない限り、目標は絵に描いた餅になってしまいます。

 そこで今回のケースであれば、「顧客満足度100%」ではなく「来店客100名に当店の満足度をABCDランクでアンケートをとったところ、全員がB以上の評価をする」といった目標の方が有効と考えられます。

(3)3年程度のプランを構築する

 同店が事前に書かれた【今後のプラン】ですが、時間軸が盛り込まれている点は良いと思います。ですが、このプランは補助事業であるトイレ改修に関するプランです。補助事業については、次回以降で見ていく<補助事業計画>に詳しく書くべきであり、【今後のプラン】は補助事業も含めた全体的な計画を記載する必要があります。

 この際に「人」「物」「金」「情報」という経営資源をどのように拡充するか、具体的な行動を縦軸に置き、その行動をいつ起こすのかが分かるようにすると良いでしょう。

 このようにして、「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしていただきましたが、次回のコラムでは<補助事業計画>2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容を見ていきます。

5.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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