小規模事業者持続化補助金に応募する理容店の申請書作成事例⑦

小規模事業者持続化補助金

 創業75年を迎えたその理容店は、夫婦2名で運営しておりましたが、前回の小規模事業者持続化補助金に採択され、今回はマッサージ用椅子の導入、看板の設置、チラシの作成と新聞折込の費用を当補助金で調達しようと考えました。

 そこで同店は、応募時に提出する計画書を作成しましたが、弊社はその作成した計画書をブラッシュアップする形でご支援しました。そこで、採択の可能性を高めるためにどのように計画書をブラッシュアップしたのかをご紹介します。

 下図は応募時に最低限作成しなければならない書類ですが、今回のコラムでは以下の赤枠部分を見ていきます。

  • 「様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①」<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容「4.補助事業の効果」
  • 「様式3-1補助事業計画書②」Ⅱ.経費明細表

1.「補助事業の効果」記入の仕方

(1)「目標」と「効果」は切り分ける

 同店が事前に記載されてきた内容を拝見すると「前述の『目標』参照のこと」という一文が目につきました。経営計画書の「4.経営方針・目標と今後のプラン」では目標として各年度の来店者数が記載されていますが、これは同店が目指す数値であって、補助事業で見込む効果とは意味合いが異なります。

 つまり、補助事業による効果でどのような目標を達成するのかという関連性が必要であることから、同店の補助事業による効果を再検討していただきました。

(2)売上以外の効果も検討する

 同店は補助事業の効果として、増加するであろう売上を数値で記載していました。ですが、補助金の財源は税金であり、それは利益からもたらされるため、売上だけでなく利益の伸びも検討していただきました。

 なお、利益は売上がなければ発生しませんので、売上増という効果を数値で記載している点や、それを客数と客単価に分解して述べている点は非常に良いと思いました。

(3)自店以外の効果も検討する

 同店は、自店の売上増加という効果を記載してこられましたが、売上を増加させるには、顧客に対する効果を提供する必要があります。例えば、マッサージ用椅子によって散髪時にリラックス効果も得ることができたり、看板の設置によって同店の認知がしやすくなったりすることが考えられます。

 また、補助金という公的資金を活用する以上、地域社会に対する効果も検討する必要があります。例えば、同店への来店頻度が向上することから最寄駅の乗降客が増え、公共交通機関の運賃収入が増加することや、同店が雇用を増やすのであれば、地域で働く場が増えるという効果も考えられます。

2.「経費明細表」記入の仕方

 同店が事前に記載されてきた経費明細表には、多くの事業者が犯しがちなミスが見受けられましたので以下の2点を修正していただきました。

(1)経費区分には○付き数字を記入する

 経費明細表の欄外には「※経費区分には、①機械装置等費から⑬外注費までの各費目を記入してください。」という記載がありますが、同店はこの○付き数字の記載がありませんでした。

 細かなことになりますが、このような但し書きにはしっかり対応して、隙の無い計画書を作成する必要があります。中には「広報費」を「広告宣伝費」として記載するといった経費区分の項目自体を変えてしまうケースもありますので注意が必要です。

(2)必要理由を記入する

 経費明細表の「経費区分」の隣には「内容・必要理由」を記載する欄があります。ここに同店は「内容」だけを記載しており「必要理由」が抜けていました。

 必要理由に関しては、補助事業計画の「2.販路開拓等(生産性向上)の取組」に記載しているものの、必要理由を書く欄がこのようにあるわけですから、同じ内容でも良いので当欄にも記載する必要があります。

 このようにして計画書をブラッシュアップしていきましたが、同店の場合は、記述量の多さが一番の改善事項でした。記述をコンパクトにするには、重複する内容を削除するとともに、全体像を予め定め、何をどこに書くのか構想を確定させてから記載することがポイントと考えますので、参考にしていただければと思います。

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