小規模事業者持続化補助金に採択されたバーの計画書作成事例②

小規模事業者持続化補助金

 当事、創業6年目を迎えようとしていたそのバーは、集客力を向上させるためにフリーペーパーへ広告の出稿をしたいと考えました。そこで小規模事業者持続化補助金でその資金を調達するべく、当該補助金用の計画書を作成しました。

 このバーの経営者は採択の可能性を向上させるべく、弊社へどのようにして計画書のブラッシュアップをするべきかとご相談され、結果として採択されました。そこで、このバーの採択に至るブラッシュアップのプロセスをお伝えしていきます。

 以下は、小規模事業者持続化補助金へ応募する際の一般的な提出書類ですが、今回は下図赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」について見ていきます。

1.「顧客ニーズと市場の動向」の書き方

 同店が事前に当欄へ記載されてきた内容を拝見すると、以下の見出しが設けられていました。

 ①顧客ニーズ、②市場の動向、③競合状況、④当店の問題と課題

 これらの見出しの下にそれぞれ説明が盛り込まれていた「顧客ニーズと市場の動向」をどのようにブラッシュアップしていったかを見ていきます。

(1)見出しの正当性を検討する

 繰り返しになりますが、当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」です。よって素直に見出しを設けるとしたら、「①顧客ニーズ」と「②市場の動向」の2つの見出しで済むことになります。

 ところが同店はそれに留まらず「③競合状況」、「④当店の問題と課題」も書かれていました。まず、「③競合状況」は「②市場の動向」の中に含まれる内容であることから、独立した見出しを設けず、「②市場の動向」として記載していただきました。

 競合動向を書くこと自体は非常に良いと思います。次回のコラムで見ていく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」は競合と比較した差別的優位性ですから、競合の動向を把握していなければ、強みと言えないからです。
 ただし、別に項目を設けるのは、項目の階層的に違和感がありますので、前述の通り、「②市場の動向」に含めていただきました。

(2)具体的に書く

 上述の「③競合動向」ですが、同店が記載されてきた内容は、概ね以下となっていました。

 ダイニングバー形態で平日の昼間にランチを提供する店舗、家族連れでも入店できるような雰囲気の店舗など、こだわりだけを追求するのではなく、多くの顧客ニーズに応える多種多様な飲食店が近隣に増えてきました。

 この「ランチを提供する店舗」、「家族連れでも入店できるような雰囲気の店舗」は同店のような本格的なバーの競合となり得るのでしょうか。土俵に上げる相手を間違えていないかといった観点から再検討していただきました。

 また、上述の予め記載されてきた内容は、競合動向の説明としては、具体性に欠けていますし、競合との差別的優位性を自店が構築する材料としてはあまりに貧弱であると言えるでしょう。そこで、競合の「店名」「住所」「当店との距離」「特徴」を一覧にしていただきました。

(3)書くべきことを書く

 補助金に応募する方々は、採択してもらうために自店の状況を経営計画書や補助事業計画書などで説明します。ですが、当店は「顧客ニーズと市場の動向」の中に「④当店の問題と課題」を記載しており、当欄に記載する妥当性が見当たりません。

 さらに、同店が記載してこられた①顧客ニーズ、②市場の動向、③競合状況、④当店の問題と課題の中で、④が一番ボリュームがありました。このことから、同店は「弱みの克服」の方向で補助金を使いたいという意図が透けて見えます。

 小規模事業者がとるべき戦略の鉄則は「弱みの克服」ではなく「強みの強化」です。よって「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」という欄があると考えます。そのため「④当店の問題と課題」を記載する妥当性は薄いという判断から、削除していただきました。

 このようにして「2.顧客ニーズと市場の動向」をブラッシュアップしていきましたが、次回は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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