持続化補助金に2度採択された温泉旅館の計画書作成事例②

小規模事業者持続化補助金

 創業60年を迎えるその温泉旅館は、前回の小規模事業者持続化補助金に採択され、問い合わせや予約の増加という成果を得ることができました。そこで、2度目の採択に挑むべく、再度、当該補助金に申請するための計画書を作成しました。

 しかし、そうそう簡単に何度も採択されるとは考えにくいため、当社に計画書のブラッシュアップをいかにするべきかとご相談に来られ、結果として採択されました。そこでこの温泉旅館がどのようにして2度目の採択レベルにブラッシュアップしていったのかをお伝えしていきます。

 以下は、小規模事業者持続化補助金へ応募する際の一般的な提出書類ですが、今回は下図赤枠部分、様式2-1経営計画書兼補助事業計画書①<経営計画>内の「1.企業概要」について見ていきます。

1.「企業概要」の書き方

(1)書くべきことを書く

 同館が当欄に予め記載してこられた内容は【概要】と【業績】の2項目でした。そのうち、【概要】に関しては以下の内容が記載されていました。

①当社は○○年、●●に◎階建て収容△△名の温泉旅館を立ち上げ、▲▲年には▽階建て収容▼▼名にリニューアルを実施した。その後、□□年に◇◇に経営を移し、現在に至る。
②目先の流行に左右されず、館内設備を充実させ、泉質の良さを最大限感じられる温泉旅館を構築してきており、顧客をもてなす心遣いで、居心地の良い空間を提供している。
③当館は四季に彩られた■■川を客室眼下に望むことができ、高い評価を得ている。

 上記の記述のうち、②と③は同旅館の強みであり、これは後ほど解説する「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に盛り込むべき内容です(もっともこのまま盛り込むのではなく、内容のブラッシュアップは必要です)。

 よって、①の沿革をさらに詳しく記載する必要があります。60年に及ぶ業歴の中には、様々なトピックスがあったことが想定され、そのような内容を箇条書きで盛り込んでいただきました。

(2)ビジュアルに訴求する

 店舗や宿泊施設など立地が業績に大きな影響を及ぼす業種は「1.企業概要」に立地の説明を盛り込むことをお勧めしています。その際に文章だけで説明するのではなく、地図を盛り込むと読み手の理解が進むでしょう。

 同館が立地する都道府県が国内のどこにあるのか、同館が立地する市町村が都道府県内のどこにあるのか、同館が立地する場所が市町村のどこにあるのかいう形で、複数の地図を盛り込んでいただきました。

 また、経営者やスタッフ、同館の写真があるとリアリティが高まりますので、その写真も盛り込んでいただきました。

(3)事業内容を数字で訴求する

 同館は「1.企業概要」として【概要】の他に、売上高・売上総利益・人件費・広告宣伝費・その他経費・営業利益という【業績】も記載されていました。ですが、日本商工会議所・全国商工会連合会が公表している記入例には以下の図が掲載されています。

 上図の赤枠部分がポイントで、これを盛り込むことにより、同館の主力商品やその規模がより分かりやすくなると同時に、同館が今後注力して提供するべき商品・サービスも明確になるでしょう。

 そこで、同館の売上・利益の高い商品・サービスを洗い出していただきましたが、売上は宿泊料がメインの業態ですので、宿泊プランごとに数値を集計していただき、記入例のようにまとめていただきました。ただし、サービスの売上高は利益と同額となりますので、売上総額と利益総額を別にすることはしませんでした。

 このようにして「1.企業概要」をブラッシュアップしていきましたが、次回のコラムではこれに続く「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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