持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】飲食店の採択事例④

小規模事業者持続化補助金

 フランス料理を提供する同店は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、来店客のソーシャルディスタンスを確保するために客席を間引くとともに、混雑を避けるためにキャンペーンを自粛、また行政からの要請を受け、営業時間を短縮した結果、業績が低下してしまいました。

 そこで、コロナ禍で開始したネット通販を強化するべく、自社サイトのブラッシュアップ、パッケージの開発、パンフレットの作成を行うことにしました。そして、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達するために計画書を作成し、応募した結果、無事採択されました。

 当コラムでは、同店が作成した計画書の内容から、なぜ採択されたのか、想定される理由を検証し、採択の可能性を高める計画書の書き方を述べていきますが、今回は持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】飲食店の採択事例③に引き続き<補助事業計画>「3.補助事業の効果」を取り上げます。なお、当コラムの内容は2021年10月22日時点の情報に基づいています。

1.採択の可能性を高める「補助事業の効果」の書き方

(1)相乗効果を記載する

 同店は、補助事業の効果を何点か記載していましたが、そのひとつにネット通販を利用した顧客が実店舗に来店したり、実店舗へ来店した顧客がネット通販を利用したりするという効果を記載していました。

 このように新規事業を実施することにより既存事業が活性化する、もしくは既存事業があるからこそ新規事業が活性化するといった相乗効果が見込めることは、効率的に事業を拡大することが可能となります。このような事業を立ち上げ、その相乗効果を明確に記載したことは、同店が採択を引き寄せた理由のひとつとして考えられます。

(2)雇用に絡めた効果を記載する

 同店は補助事業の効果として、雇用の創出を記載しておりました。コロナ禍で人材を雇い続ける余裕が小さくなってしまった事業者が増加する中、このような効果が見込めることは重要な話ではあります。ただし、当補助金の計画書フォーマット内<補助事業計画>「3.補助事業の効果」には以下の但し書きがあります。

 ※補助事業の実施により、自社の経営に与える効果について記載してください。

 この但し書きを踏まえると、雇用の創出は「自社の経営に与える効果」というよりは、地域社会に与える効果ではないのかという疑問が湧きました。よって、例えば「雇用の創出により、事業拡大のスピードが向上する」、「雇用の創出により、自店の地域における存在感が拡大する」といった書き方の方が「自社の経営に与える効果」に近くなるのではないでしょうか。

(3)定量的な効果を記載する

 同店は、当欄に売上目標を記載していましたが、新規事業の売上目標だけでなく、新規事業の相乗効果を見込んだ既存事業の売上目標も記載しておりました。また、これら売上目標は客数と客単価も記載されており、このように数字で物事を述べることは説得力の向上が期待できます。

 ただし、当欄は「効果」を記載する欄です。記載した売上目標が「このような売上目標を設定することができる」という効果と捉えることも可能ですが、読み手の解釈に頼ることは危険ですので、「このような売上を見込むことができる」といった書き方の方がより説得力が高まると感じました。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】に採択された飲食店の<補助事業計画>「3.補助事業の効果」を見てきましたが、その書き方として、 (1)相乗効果を記載する、(2)雇用に絡めた効果を記載する、(3)定量的な効果を記載する、を挙げました。

 同店が作成した計画書の特徴として、ビジュアルに訴求し、読みやすさを意識して箇条書きや太字などを活用するともに、数値を盛り込んでいたことが挙げられます。これから当補助金の採択を狙う方は参考にしていただければと思います。

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