持続化補助金で店舗改装資金を調達した和食店の事例⑦

小規模事業者持続化補助金

 その和食店は、比較的高級路線で営業しており、接待などで利用する顧客も多い状況でした。このような顧客は、個室を利用する場合が多いのですが、同店の個室は天井から数十センチが吹き抜けとなっています。

 そのため、会話が筒抜けの状態になっており、顧客から完全個室にして欲しいというご要望をいただいておりました。そこで同店は、店舗改装資金を小規模事業者持続化補助金で賄うために応募用の計画書を作成しました。

 弊社は当該補助金における採択可能性を高めるべく、その計画書のブラッシュアップをご支援しました。結果として無事採択されましたが、どのように計画書をブラッシュアップしたのか、複数回にわたってご紹介します。最終回の今回は、様式2-1<補助事業計画>の「4.補助事業の効果」について見て行きます。

 なお、この事例は新型コロナウイルスの影響が出始める前のものですが、現在では、個室の密室性を高めるのであれば、空気清浄機を導入するなど感染対策をとる必要があります。

1.小規模事業者持続化補助金<一般型>応募の全体像

 まずは、全体像を把握します。事業者が単独で小規模事業者持続化補助金に応募する際は、原則として以下の書類を作成し、締め切り日までに送付する必要があります。

  • 様式1-1 小規模事業者持続化補助金事業<一般型>に係る申請書
  • 様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①
  • 様式3-1 補助事業計画書②
  • 様式4 事業支援計画書
  • 様式5 補助金交付申請書

 このうち、様式2-1と様式3-1が採択に大きな影響を及ぼします。

2.様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①の全体像

 今回は、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書①を見て行きますが、その構成は以下となっています。

  • <応募者の概要>
  • <経営計画>
  • <補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容

3.<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容の全体像

 今回は<補助事業計画>Ⅰ.補助事業の内容を見て行きますが、その構成は以下となっています。

  1. 補助事業で行う事業名
  2. 販路開拓等(生産性向上)の取組内容
  3. 業務効率化(生産性向上)の取組内容
  4. 補助事業の効果

 今回のコラムでは、4.補助事業の効果を見ていきますが、ここまでをまとめると、今回のコラムでは下図の赤枠で囲んだ部分を見て行くことになります。

 なお、当コラムでは「1.補助事業で行う事業名」は公序良俗に反しない限り、30文字以内にまとめるだけで済むという認識であること、「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」は任意記入であることから、説明は割愛しています。

4.「4.補助事業の効果」の書き方

(1)書くべきことを書く

 同店が予め記載されてきた内容は、補助事業を行うことによって、①補助事業期間に増加する売上高、②翌年度以降に増加する売上高、③投資を回収する目標期間、④補助事業を通じた自店の持続可能性、の4点でした。

 当欄は「補助事業の効果」を記載する欄ですが、上記③④は効果とは言えません。特にこれらの結びには「…したい」とあり、どちらも目標と捉えることができます。その場合は持続化補助金で店舗改装資金を調達した和食店の事例⑤で見た<経営計画>の「4.経営方針・目標と今後のプラン」に記載したほうがしっくりくるのではないでしょうか。

(2)売上と利益を意識する

 同店は、売上高に着目して効果を述べています。売上高は、従業員教育、資金繰り、マーケティングなど多くの経営課題を潰してくれます。ですが、売上高があっても利益がなければ意味がありません。よって、効果として売上高だけでなく利益も検討する必要があります。

(3)3方向の視点から効果を検討する

 同店は「自店の効果」の記述に留まっていますが、それを得るには補助事業を行うことで顧客にメリットが無ければ「自店の効果」を得ることは困難です。よって、補助事業を行うことによる「顧客の効果」も記載する必要があります。

 さらには、補助金という公的資金を使うということは、同店を利用しない方に対する効果も検討することが必要です。そこで「地域社会の効果」も記載する必要があります。具体的には、地域の消費が活性化する、雇用の場が生まれる、税収が増加する、取引先の業績が向上する、などが挙げられるでしょう。

 このようにしてブラッシュアップしていった結果、同店は無事採択されたわけですが、和食店は個室に対する需要が非常に高まっています。小規模事業者持続化補助金の活用によってそのような顧客ニーズの変化への対応を積極的に実施していただきたいと思います。

5.小規模事業者持続化補助金の申請書類作成をサポートします

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