飲食店が置き傘を工夫すると顧客が増える3つの理由

リピーターの確保

 私が住んでいる埼玉県川越市のあちこちで今年の夏から見かけるようになったのが、写真の日傘です。東武鉄道と川越市が連携した無料のレンタル制度で、着物レンタル店や飲食店など約30箇所に置かれ、借りたらどこに返しても良いことになっています。

 男性用日傘も置かれているこの取組みのポイントは、「川越日傘」に関連した写真をInstagramに上げると(池袋・川越アートトレイン公式インスタグラムアカウントをフォローし、「#川越日傘」で投稿する必要あり)抽選でプレゼントがもらえることです。

 街歩きをする人は、このオリジナルデザインの日傘を差すことで暑さが緩和でき、川越市はネットで観光地としての川越を宣伝でき、東武鉄道は運賃収入、地元の商店は集客の拡大が期待できます。この取組みは、鉄道事業者や自治体による大掛かりなものですが、今回のコラムでは、小規模な飲食店による傘を使った独自の取組みを見ていきたいと思います。

置き傘を工夫すると顧客が増える理由1:顧客満足度と宣伝効果が高まるから

 やや高級路線を行くある回転寿司店には、普通のビニール傘ではなく、独自デザインの置き傘があります。食事中に雨が降り、傘が無くて困っているような顧客には、店舗スタッフが「当店の置き傘を使って下さい。返すのはいつでも良いので」と言います。

 置き傘を貸し出すと顧客は雨に濡れないで済みます。それにより顧客満足が高まります。そして、同店オリジナルデザインのその置き傘は、一目でその寿司店の傘だと分かりますから、顧客がそれを差して歩いてくれるだけで宣伝効果が期待できます。

 古い話ですが、1970年に開催された大阪万博で、現在のパナソニック、当時の松下電器産業が、真夏に自社パビリオンである「松下館」に並ぶ方々を直射日光から守ろうと、紙の帽子を配りました。これは創業者の松下幸之助氏(当時75歳)が実際に2時間もの間、列に並んでみたところ、行列を成す人々を夏の直射日光から守る必要があると判断したためです。

 そしてこの帽子には「松下館」という文字があり、多大な宣伝効果をもたらしました。この取組みのポイントは、まず顧客を暑さから守るという発想の次に自社の宣伝が来ている点です。

置き傘を工夫すると顧客が増える理由2:退店後も記憶に残りやすいから

 飲食店は、顧客に再来店していただくために、ポイント制度の実施や割引券の配布などを行い、退店後も自店を顧客の記憶に留めていただき、再来店に繋げようとします。

 同店の置き傘は、オリジナルデザインでそこそこ目立ちます。この置き傘を借りて帰宅した顧客は、自宅玄関の傘立てにその傘を入れるでしょう。結果としてその置き傘を返すまでは、毎日玄関でそれを目にすることになります。そして、その都度、この置き傘を貸してくれた回転寿司店を思い出すこととなり、同店は記憶から薄れにくくなります。

置き傘を工夫すると顧客が増える理由3:再来店する理由ができるから

 残念なことに、置き傘を貸し出して、全部が全部返ってくるわけではありません。ですが、かなり高い確率で返ってくる理由は、やはり同店の傘がオリジナルのデザインであることが挙げられます。

 普通のビニール傘だと私物として使われてしまいますが、そこそこ目立つデザインなので、私物としては使いにくく、顧客は「借りた傘を返しに行く」という理由で再来店することとなります。

 中には返しに来ただけで退店してしまう顧客もいますが、店舗に来るということは、飲食をする可能性がゼロではなくなります。よって、置き傘のデザインを工夫し、貸し出すことにより顧客が増加する可能性が高まります。

 今回のコラムでは、飲食店が置き傘のデザインを工夫すると顧客が増える理由として、1.顧客満足度と宣伝効果が高まるから、2.退店後も記憶に残りやすいから、3.再来店する理由ができるから、を挙げました。

 飲食店を含め事業者は、売上を上げるため、来客数を増やすために色々と思案するわけですが、重要なことは、どうしたら顧客が満足してくれるかを思案することなのではないでしょうか。

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