レジ金の誤差対策

コラム

ある不正事件

 レジのあるロードサイド店で悩ましいのが、レジ金の誤差です。

 あるロードサイド店で働く大学生アルバイト。金融機関に就職が決まっていたといいます。ある日、閑散とした店内で、つい出来心でレジから1,000円札を抜き、自分のポケットに入れてしまいました。

 そこの店舗では、昼・夕方・閉店時と1日に3回の現金誤差チェックを社員が行っていましたが、特に騒ぎ立てる様子もありませんでした。1,000円足りないはずなのに、です。

 翌日も同じように1,000円札をレジから自分のポケットに入れてみました。ですが、店舗では特に騒ぎ立てる様子もない。では、明日も抜いてみようかな・・・

 これを繰り返していくうちにレジから横領した金額は総額30万円へのぼりました。これを受けて店長と本社スタッフが社員・アルバイトにヒアリングをする中、当該アルバイトは自分がやったとあっさり白状したそうです。

 出来心でレジ金をポケットに入れてしまうのも問題ですが、レジ金の在り高が足りなかったら、即対応を起こさなかった店舗側にも問題があります。

悪い芽は小さいうちに摘む

 誰も使わなくなった廃校舎の窓に、たまたま何かの拍子で1枚にヒビが入ると、連鎖的に他の窓にもヒビが入り、ガラスが割られ、一気に荒廃が進むといいます。レジ金の誤差が発生したら、即対応をとるべきです。そうしないと加速度的に誤差が大きくなっていきます。

 では、どのような対応が考えられるでしょうか。

 別のロードサイド店では、営業時間内で2時間おきという高い頻度で社員がレジ金の誤差チェックをしていましたが、なかなか誤差がなくなりません。

 そこで、レジ金の誤差チェックの結果を休憩室のホワイトボードに書き出すようにしました。

 8:00~10:00 マイナス10円
 10:00~12:00 0円
 12:00~14:00 プラス5円

 といった形です。これは、スタッフにとっては、自分が働く時間帯にレジ金の誤差が発生したかしていないかが公表されることであり、プライドにもかかわります。一気にレジ金の誤差がなくなりました。

 レジ金の横領などの不正行為はアルバイトスタッフの将来にも影響を及ぼします。少額の誤差を全力でなくす取組みが、店舗のモラルを維持・向上させます。

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