最低賃金を支払えない小売業が最低賃金を支払うための対策

経営の姿勢

なぜ最低賃金を払えないのか

 最低賃金を支払うことができていないロードサイド店舗の経営陣と立て続けに出会いました。その店舗で働く従業者から表向きは反発が出ておらず、払えるだけの業績も出ていないため、最低賃金を満たした額を払うことができずにズルズルと来てしまったようです。

 ある仕事に対して「時間がないからできなかった」という言い訳を耳にすることがあります。 1日は24時間なわけで、仕事が多い場合に1日が24時間以上になるわけではありません。よって、仕事に優先順位を付けて、24時間を配分する必要があります。「時間がないからできなかった」という言い訳は、その仕事は、その人にとって時間を配分する価値のなかった仕事だったということです。

 1日に24時間という限りがあるように、事業者が払うことのできる原資にも限りがあるはずです。事業者は、儲かっていても儲かっていなくても、その原資を用いて、仕入代金や固定費を支払い、支払わなくても良い費用は後回しにします。
 よって、最低賃金が払えないという経営者・店長は、会社に払う原資がないというよりは、払うべき優先順位を後回しにしているわけです。つまり「払えない」のではなく「払わない」のです。

なぜ最低賃金を払わなくてはいけないのか

 人材を雇用している以上、経営者や店長は指示命令を出します。そして、その指示命令が守られるように、ルール化したり、注意をしたりします。
 最低賃金は法律で決められています。ルールを守れと言っている経営者や店長が、法律というルールを守っていない、ということにより何が発生するでしょうか。

 自社の事業計画がない経営コンサルタントが、事業者向けに事業計画策定セミナーを開催したとします。経営コンサルタントですから、経営に関する知識は豊富なはずです。受講者に対してそれなりの知識を授けることができるでしょう。しかし、その人が発する言葉にどれだけの説得力があるのでしょうか。受講された事業者が積極的に事業計画を策定することは考えにくいはずです。
 これは、結婚したことがない人が離婚のつらさを語る、ご飯を食べたことがない人が米の素晴らしさを語ることと同義と言っても良いと思います。

 つまり、法律で定められた最低賃金を支払っていない経営者や店長がルールを守れと言っても説得力は高くなく、そのルールが守られる可能性も高くない、ということです。
 最低賃金を払うと店が回らないと言っているうちは、業績も上がらないでしょう。場合によっては従業員の勤務時間を短くしてでも最低賃金を払い、限られた人員で店を回すと決めることです。そのような経営者や店長が出す指示命令に対して、従業員は納得して業務にあたっていただけるはずであり、それが業績向上の一因となるはずです。

 最低賃金を払えない小売業が最低賃金を支払うための対策は、経営者・店長が最低賃金を払うと決めることなのです。

 【参考記事】仕事の覚悟を決める

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