売れるセールストークを求めるアパレル販売員が苦戦する理由とは

接客

 あるアパレルショップの販売員が発した、客単価を上げるにはどのようなセールストークが必要か、という相談に触れる機会がありました。

 その方は、顧客が試着した際に、その試着したアイテムに合うようなトップスやボトムを持って行ってコーディネートの提案をしたり、顧客が購買を決めた時に、他にお探しのものはないかと聞いたりしているということですが、思うような成果が出ていないとのことでした。

 今回のコラムでは、このように商売熱心で売れるセールストークを求める方が販売に苦戦する理由を通じ、成果を挙げる手法について見ていきます。

1.販売に苦戦する理由

(1)顧客を承認していないから

 アメリカ合衆国の心理学者である、アブラハム・ハロルド・マズローは、人間の欲求は5段階に分けられるとしました。それは、①生理的欲求、②安全欲求、③所属と愛の欲求、④承認欲求、⑤自己実現の欲求です。

  • ①の生理的欲求は、眠くなったら寝たい、空腹になったら食事をしたい、という人間の生理的な現象を満たしたいという欲求です。
  • ②の安全欲求は、①の生理的欲求が満たされると生まれる、寝るのなら安全な場所で寝たい、食事をするなら安全な場所で食事をしたいという、安全を求める欲求です。
  • ③の所属と愛の欲求は、①の生理的欲求や②の安全欲求が満たされると生まれる、どこかの組織に所属したい、愛されたいという欲求です。
  • ④の承認欲求は、①~③の欲求が満たされると生まれる、人に認められたいという欲求を指します。
  • ⑤の自己実現の欲求は①~④の欲求が満たされると生まれる、自分らしく生きたいという欲求であり、この欲求は満たされるとさらに自分らしく生きたいという欲求が発生し、いつまでも満たされることがない、とされています。

 今のご時世では、多くの方が①~③の欲求は満たされているはずです。よって、④の承認欲求をいかに満たすかという課題を多くの方が持っていると言えるでしょう。かつてよく見られたアルバイトスタッフが不適切動画をSNSに投稿し、店舗が被害を受けるというバイトテロは、上述の④承認欲求を満たすために、短絡的に不適切動画で自己アピールをした結果とも捉えられます。

 そして、この承認欲求は、当然のことながら、来店する顧客も持っていることに留意する必要があります。

(2)顧客に興味を持っていないから

 承認欲求が満たされるということは、他人に自分のことを認めてもらったということです。そのためには、認めてもらう何かがないと認められません。バイトテロの場合、それが不適切動画になるわけですが、販売員が顧客のことを認めようとしたら、顧客情報を得なければなりません。

 そのために世間話を行うわけですが、その世間話の中には、さして注目するべき内容はないのかもしれません。ですが、顧客は販売員が自分に興味を持ってくれたことだけは感じます。自分に興味を持ってくれたということは、自分の存在が承認されたことと同義です。

 アパレルショップに訪れる顧客は、販売員がアパレルを売りたいことを承知しています。顧客は、買いたければ自分から欲しいものを買います。買いたくなければ、どんなに勧められても買わないはずです。よって、商品を売るためにどういうセールストークを使うか、という点よりも、顧客に興味を持って仲良くなることは、顧客満足を高め、自動的に売れていく可能性を高めます。

 イソップ寓話の北風と太陽でいうと、セールストークにこだわるのは北風、世間話をして仲良くなるのは太陽に例えることができると思います。今回のコラムでは、売れるセールストークを求めるアパレル販売員が苦戦する理由として、(1)顧客を承認していないから、(2)顧客に興味を持っていないから、という点が挙げられます。そして、顧客の承認欲求を満たすことができれば、ご自身の販売実績も上がり、周囲から認められるため、ご自身の承認欲求も満たされることとなるでしょう。

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