クレームを受けた時にこじらせない対応3つのポイント

 弊社は、経営革新計画の策定や補助金採択支援といったテーマでのコンサルティングの他に、ガソリンスタンドを始め、車で来店する顧客を対象としたロードサイド店舗向けの販促支援というコンサルティングも提供しています。

 ロードサイド店舗には様々な業種がありますが、その中には飲食店があります。先日私は、講演で長野県に向かう際に、高速道路内のサービスエリア内に出店している飲食店でソフトクリームを買いました。会計は電子マネーで済ませ、ソフトクリームを食した後に、ふとレシートを見ると「880円」という金額が記載されていました。

 (画像に一部処理をしています)

 ソフトクリームにしてはあまりに高額です。購買する際にメニュー表の価格をちゃんと見ていませんでしたし、無論、会計時も金額を気にしていなかった私は、果たしてこの880円という金額は正規の価格なのか疑問を抱きました。

 そこで、目的地に着いてから、レシートに記載された番号に電話をしました。今回のコラムでは、その際のやり取りから、クレームを受けた時にこじらせない対応のポイントを見て行きます。

クレームを受けた時にこじらせない対応のポイント1:反論しない

 電話に出た店舗の方に、ソフトクリームを買った際に880円で会計されたことを伝えたところ、「ソフトクリームは380円で販売しているが、本日のレジでの売上金額と実際に頂戴した金額に誤差はない」という趣旨の内容を言われました。

 私もガソリンスタンドの現場で様々なクレームを受けてきたのでよくわかるのですが、クレームの初期段階で「なかったこと」にしたいという意識を持つスタッフは非常に多く、口先で適当なことを言ってしまい、結果としてクレームをこじらせることとなります。

 顧客としては疑われている気がして嫌なものであり、気の短い顧客だとここでキレてしまい、単なる問い合わせがこじれてしまう可能性が高まります。

 よって店側としては、この「なかったこと」にしたい、つまり面倒なことに巻き込まれたくないという一種の被害者意識を捨てて、まずは反論せずに話を聞くことが必要です。そこで、店長や管理職は、日々このことをスタッフに伝え、徹底しないと、ご自身がこじれたクレームの対応に追われてしまうこととなってしまいます。

クレームを受けた時にこじらせない対応のポイント2:事実を調べる

 ソフトクリームの価格について電話で問い合わせをした私は、電話の向こうの方が持つ「なかったこと」にしたいという意識を汲み取りましたので、手元にレシートがあることを告げ、買い上げ時刻である本日11時21分37秒に貴店で販売した商品とその際にもらった金額を確認してほしい旨を伝えました。

 ここで電話の向こうの方は、私の言っていることを単なる言いがかりではないと判断したのだと思います。そこで、事実を調べて折り返し電話すると発言しました。これも最初に言っておけば円満に解決するところですが、今回のような対応だと、顧客によっては「最初からなぜ調べると言わなかったのか!俺を疑っていたのか?」とこじれる可能性を高めてしまいます。

 よって、顧客からクレームを受けたら、顧客が話している内容が事実なのか解釈なのかを切り分けて整理した上で、自店でも事実を調べ、その上で対応をさせていただくことを提案する必要があります。

クレームを受けた時にこじらせない対応のポイント3:顧客の要望を聞き出す

 それから数十分後に、私のスマホに当該飲食店から着信がありました。電話に出てみると、先ほど電話対応した方よりも上の職位の方からのようです。そして、レジの打ち間違いにより500円多くもらってしまったこと、この500円は現金書留で返金したいことを提案されました。

 私は、880円は会計ミスであろうという前提で電話をしているので、返金を望んでいますが、返金の方法に関しての希望は述べていません。この場合、一方的に現金書留で返金するという話の展開は、顧客によっては、店側は「金を返せばいいんだろう」という態度をとっていると受け取られてしまう可能性があります。店舗側がそんなつもりがないとしても、です。

 よって、返金したいがどのような方法が顧客にとってベストな方法なのかを話し合うことが重要です。私は2週間後に講演で同じ場所に再訪することが決まっていましたので、その日に同店に伺う旨を述べ、電話を終えました。

 今回のコラムでは、クレームを受けた時にこじらせない対応のポイントとして、1.反論しない、2.事実を調べる、3.顧客の要望を聞き出す、を挙げました。

 これらは、冷静になって考えればごくごく当然の対応ですが、顧客から実際にクレームを受けると冷静さを失うケースが多く、こじらせてしまう対応をとりがちです。よって、避難訓練同様、ロールプレーイングなどを通じて予め対応の準備をしておく必要があります。

 雨降って地固まると言います。クレーム対応でこじらせないばかりか、顧客を固定化できるように取り組んでみてはいかがでしょうか。

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