上手な笑顔の作り方

笑顔が出せない方


 先日のコラムで買い物後の顧客の写真を撮影し、店頭で配布するニュースレターに掲載し、再来店を促す、という取組みをご紹介しました。

 その取組みをご紹介した後、私のセミナーを過去に受講され、現在ロードサイド店を経営する方からご連絡がありました。その店舗では、撮影した写真を顧客の許可を得て店内に貼り出し、再来店につなげているのだそうです。
 ニュースレターのハンドアウトにせよ、店内掲示にせよ、とにかく足を運んでいただくことが、儲かるロードサイド店舗の大きなポイントとなります。

 そんな中、あるロードサイド店舗の経営者から以下の趣旨の質問をいただきました。
 「写真を撮ろうとすると、うまく笑顔を出すことのできないお客様がいます。どう働きかけたら笑顔を引き出すことができますか」

 笑顔の写真は引き立ちますので、ニュースレターにせよ、店内掲示にせよ見栄えは良いとは思いますが、仏頂面だと、それを見た人の印象は比較的良くないものとなってしまいます。かといって、撮影に応じた顧客から無理に笑顔を引きだそうというのも考え物です。

笑顔の構造


 下図のように、表情は口角が上がっているか下がっているかで笑顔に見えたりそうでなかったりします。よって、笑顔を出すことのできない顧客に対しては、口角を上げていただくと笑顔に見えるわけです。

 人間は、加齢とともに口角を支える筋肉が衰えてきます。よって、単に「口角を上げてください」と要求しても口角が上がらない場合があります。
 この場合は、まず左右どちらか一方の口角を上げていただきます。片方の口角なら上がる方が多いです。その状態をキープしつつ反対側の口角を上げていただきます。そのまま歯を見せていただきます。すると下図のような表情になります。

スタッフの笑顔


 そもそも、店舗で働くスタッフが笑顔でいれば、顧客も笑顔になりやすいわけで、スタッフが上記のことを意識して、自身の表情を管理する必要があります。

 航空機の客室乗務員は軽く奥歯を噛みしめて、両方の口角を軽く上げる表情を「スタンバイスマイル」と呼んでおり、常にその表情でいることを心がけています。
 このスタンバイスマイルは、文字通り、笑顔になることを準備しているわけで、何かあるとすぐに表情を笑顔にすることができます。スタンバイスマイルの状態で顧客に声をかけられると即座に笑顔になることができる、というわけです。

 また、人は楽しい時や嬉しい時に笑顔になり、怒りや苛立ちを感じると不機嫌な顔になります。これは、笑顔が楽しさや嬉しさをもたらし、不機嫌な顔が怒りや苛立ちをもたらすことを意味します。つまり、形から入るスタンバイスマイルは、結果として楽しさや嬉しさをもたらします。

 アメリカの社会心理学者であるデール・カーネギーの名著「人を動かす」に次の一節があります。
 「笑顔は1ドルの元手もいらないが、100万ドルの価値を生み出す。」

 顧客、そしてスタッフの笑顔が溢れるロードサイド店は、大きな価値を生み出すのです。

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