商品単価の向上による売上の増加策

売上高の構成

 売上高は、客数と客単価から構成されます。つまり、多くの顧客が来店され、それらの顧客が多くの金額を店舗で使っていただければ、売上は上がるということです。

 そして、売上高を構成する客数は、新規顧客(初回客)と既存顧客(リピーター)から構成されます。つまり、初めてご来店なさる顧客が大勢いて、過去に何度も来店したことのある顧客も大勢いれば、客単価が落ちない限り、売上は上がります。

 また、売上高を構成する客単価は、買上点数、商品単価から構成されます。顧客が多数かつ高額の商品を買ってくれれば、客数が落ちない限り、売上は上がります。

商品単価の向上

 新規顧客/既存顧客、買上点数/商品単価という売上高の4要素のうち、商品単価を上げる施策は、値上げをする施策と捉えられがちで、避けられる印象があります。しかし、値上げという行為は、既に設定されている価格に適用されるものです。
 よって、新たな商品もしくはサービスを開発・導入すれば、自由に値決めができることになります。

新商品のアイデア

 埼玉県秩父市と小鹿野町にまたがる地域に「合角(かっかく)ダム」があります。「ごうかく」とも読めるため、受験生が合格祈願で訪れます。
 ここでは、「合格ダムカレー」が数量限定で提供されています。「全て丸く収まる」ことを狙った丸いお皿に、ダムを模したライスを五角(ごかく→ごうかく)形に盛り付け、貯水された水をカレールーで表し、その上に験を担いでトンカツを載せたカレーライスです。ダムカードとお守りもついてきます。

 この事例からヒントを得たのが、学習塾に勤務した経歴を持つ、ある豚骨ラーメン店の店長です。通常の豚骨ラーメンに、記憶力が良くなるとされる魚粉、身体の成長を促進するとされる海苔、精神の安定につながるとされるきくらげの他、トンカツをトッピングし、「学習塾に勤務していたラーメン店店長が提供する合格ラーメン」として打ち出しました。
【参考記事】「モノ」を提供する店舗と「コト」を提供する店舗の違い

 ちなみに、豚骨ラーメンとトンカツを併せて食することは、胃にもたれるイメージがあると思いますが、豚骨ラーメンの本場博多では、「とんかつラーメン」として人気を博していることを踏まえた上でのメニュー開発です。

 このように、新商品もしくは新サービスのアイデアを検討する際に、有効な視点の一つとして、経営者の経歴やスキルに着目することが挙げられます。そして、開発した新商品もしくは新サービスには、決して低い価格をつけることなく、しっかりと利益のとれる価格設定をすることにより、平均客単価、そして売上高が上がる可能性が高まります。

 さて、貴店で新商品・新サービスを開発するとしたら、経営者の経歴やスキルをどのように活かしますか?

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