ガソリンスタンドのリーダーが年上の部下を動かすために知っておきたいコーチングのスキル

コラム

1.はじめに

 内閣府の発表によると、我が国の総人口は、令和4年10月1日現在、1億2,495万人となっています。このうち、65歳以上の人口は、3,624万人となりました。

 この65歳以上の人口は、昭和25年には総人口の5%に届いていませんでした。それが、昭和45年に7%を超え、さらに、平成6年には14%を超え、高齢化率はその後も上昇を続け、令和4年10月1日現在、29.0%に達しました。つまり、10人のうち3人弱が65歳以上と言うことが出来ます。

「高齢者の割合は増えでるんだいな」

 半面、15~64歳人口は、平成7年に8,716万人でピークを迎え、その後減少に転じ、令和4年には7,421万人と、総人口の59.4%となりました。これらのことは、若年労働力が減り高齢労働力が増加することを意味します。

 よって、今後、ガソリンスタンドのリーダーは、年上の部下を動かすスキルの優劣が、業績に大きな影響を及ぼすものと考えられます。そこで、今回の記事では、年上の部下を動かすスキルとしてコーチングをご紹介し、その中の傾聴スキルについてご説明していきます。

2.ティーチングとは

 コーチングを理解しやすくするために、ティーチングについて述べていきます。ティーチングとは、経験の豊富な人が、一方通行的に経験の浅い人に知識やノウハウを伝える指導方法です。このティーチングで教える側の人を「ティーチャー(教師)」と呼びます。

「先生として教えるのがティーチングだのさ」

 しかし、年上の部下のように、部下自身の経験が豊富である場合、このティーチングは有効に機能しにくいと言えます。そこで、人材育成にコーチングを取り入れる企業も出てきました。

3.ティーチングとコーチングの違い

 ティーチングとコーチングは、どちらも人材育成の方法としてよく用いられますが、ティーチングの目的が、知識やスキルを習得させることであるのに対して、コーチングのそれは、能力や可能性を引き出すこととなっています。そこで、ティーチングの「ティーチャー」に相当する「コーチ」は、人材の自主性を重視し、双方向による育成を目指します。

 以降では、このコーチングの具体的な手法のひとつである、傾聴のスキルを説明していきます。

「相手の話ば、しっかり聞ぐのがコーチングの基本だんだいね」

4.コーチングに傾聴スキルが必要な理由

 コーチングにおいて傾聴が不可欠な理由は以下の通りです。

(1)信頼関係を築くため

 コーチングは、コーチがクライアントの状況を理解し、適切な質問によって、本人なりの正解を引き出すという双方向のやり取りがポイントです。よってクライアントが、コーチに心を開いて話せる環境を作ることは、非常に重要です。そのためには、コーチがクライアントの話に共感し、無条件に受け入れる姿勢を示すことが大切です。傾聴は、クライアントの話をしっかりと聞くだけでなく、理解しようとする姿勢を示すものであり、信頼関係を築くための重要な要素となります。

(2)効果的な質問を投げかけるため

 コーチが発するクライアントへの質問が効果的なものであるためには、コーチがクライアントをしっかり理解している必要があります。傾聴を通じて、クライアントの状況をしっかり理解した上で深掘りすることで、クライアント自身が主体性を発揮し、新たな気づきを得られるように導くことができます。

「クライアントが持つ正解を引き出すのさね」

 アメリカの心理学者であるカール・ロジャースは、共感的な理解、無条件の肯定、真摯な関心という3つの要素を持つ共感的傾聴が、クライアントの自我の成長や心理的な問題の解決に効果的であることを示しました。

 同じく、アメリカの心理学者であるバード・エイミーは、言葉だけでなく、表情や声のトーン、ボディランゲージなどの非言語的コミュニケーションにも注意深く耳を傾けることが、相手との信頼関係を築き、コミュニケーションの質を高めることを示しました。

 では、具体的な傾聴のスキルをご紹介します。

5.具体的な傾聴とは

(1) 頷き・相槌

 頷き・相槌は、コミュニケーションにおいて重要な役割を果たす非言語的なコミュニケーションです。相手の話に共感し、理解していることを示すことで、信頼関係を築き、円滑なコミュニケーションを促進することができます。

(2) 繰り返し

 クライアントの話を、ただ単に聞くだけでなく重要なポイントを繰り返すことで、クライアントに「自分の話をしっかり聞いてくれているんだ」という安心感を与えることができます。クライアントが強調したいキーワードや、コーチ自身に響いたフレーズを繰り返しましょう。

(3) 言い換え

 ただ単に言葉を繰り返すのではなく、コーチの言葉で言い換えることで、クライアントの話の理解が深まります。そのことは、クライアントの信頼に繫がり、コーチングの効果を高めるでしょう。

「耳だげ使うのは『聞く』だけどさ、全身ば使うのが『聴く』だのさ」

6.まとめ

 本記事では、コーチングの重要性と具体的な傾聴スキルについて解説しました。ガソリンスタンドのリーダーは、これらのスキルを意識的に磨き、年下の部下と良好な関係を築き、会社の業績向上に貢献することが求められます。

 この記事を通して、リーダー一人一人が傾聴スキルの重要性を理解し、実践することで、より効果的なコミュニケーションを実現し、部下の成長と会社の繁栄に貢献できることを願っています。

中小企業診断士 埼玉 |川越の株式会社ロードサイド経営研究所
埼玉の中小企業診断士へのご相談なら、川越市のロードサイド経営研究所へお任せください。小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金、経営革新などの計画書作成に強い中小企業診断士事務所です。代表三上康一は登壇経験豊富です。
タイトルとURLをコピーしました