ゴールデンウイーク中も仕事をしている販売員の恋愛への心構え

人材

 休みが合うとか合わないとか、そのような理由であなたの元を去って行く恋人は、もともと去るべき恋人であり、あなたが傷付く必要はないことを強く意識しましょう。
 そして、ガソリンスタンドなどのロードサイド店舗の経営者・管理職は、自店の存在意義を表す経営理念に基づく営業時間・定休日であることを販売員にしっかりと理解していただき、仕事に誇りを持っていただきましょう。

 今回のコラムは、ある小売業に勤務する販売員の方が持つ悩みを通じて、ロードサイド店舗の経営理念を定めることの重要性を見ていきます。

彼女と会える時間が合わない

 10連休のゴールデンウイークが始まって本日で3日目となりました。実店舗を構え、不特定多数の顧客を対象とするロードサイド店舗に勤務する販売員の中には、いつもと変わらず、売場に立つ方もいると思います。

 そのような販売員の方が持つ、以下の趣旨の悩みに触れる機会がありました。

 「独身男性の私は、小売業に勤務しており、週末はほとんど仕事で出社しています。そのため、機会があって女の子と会ったりしても、休日や時間が合わないため、その後の予定が立たず、関係がダメになるパターンばかりです。
 休みが合わないから嫌だとズバリ言われたこともあります。女の子の恋人選びの基準は、性格や人間性ではなく、休日や時間が合うか合わないか、なのではないかと思うようになりました。相手の休日や時間に私のそれを合わせようという努力はしているつもりです。休日や時間が合わない人というのは、恋愛対象にはならないのでしょうか。」

 ゴールデンウイーク中にご自身が働き、部下も働かせているロードサイド店舗の経営者や店長は、このような質問を部下からもらったら、なんと答えますか?

営業時間を合わせても…

 彼女と彼氏の会える時間が合わないということは、顧客が要望する営業時間・定休日と実際の店舗の営業時間・定休日が合わないということに似ています。

 仮に7:00~23:00という営業時間のガソリンスタンドがあったとします。しかし、6:00にガソリンを入れたい顧客をなんとしても呼び込みたいとしたら、営業時間を変える必要があります。同様に、月曜日が定休日の理容店があり、月曜日に散髪をしたい顧客をなんとしても呼び込みたいとしたら、定休日をなくすか変える必要があります。

 ここで、営業時間や定休日を変えさえすれば、その顧客は継続的に同店を利用していただけるのか、というと、店舗の清掃状況や接客態度が好ましく、価格設定が適正なものでなければ、同店を使っていただけなくなります。

 逆に、営業時間は顧客が利用したい時間帯ではないものの、上記で挙げた要素が素晴らしく、顧客がどうしてもそれを求める場合、その顧客は営業時間内・営業日にご来店せざるを得ないこととなります。

 例えば、福島県の喜多方市には、全国的に有名な「喜多方ラーメン」を提供する店舗が多数ありますが、ラーメンスープがなくなる14:00頃には、ほとんどの店が閉店してしまいます。よって、喜多方ラーメンを食べたい顧客は、営業時間という価値以上にラーメンの味に価値を見出していますので、営業時間内に来店します。このことを前述の相談内容に当てはめてみます。

自分の「今」を認める人と付き合う

 彼氏のデートできる時間が彼女と合わないのであれば、彼氏が働く時間・曜日を変えるか、彼女は他の人のところに行ってもらうか、になります。働く時間・曜日が彼女と合えば、会えることとなりますが、そのためには、現在の仕事を辞め、彼女と合う時間・曜日の職業に転職する必要があります。

 ですが、会える時間が増えても、前述の相談にあったように性格や人間性が合わなければ、破局に至る可能性が高まります。逆に性格や人間性が合えば、会える時間が少なくても、お互いがハッピーになれる可能性が高まります。

 そもそも、お付き合いするに当たり、その相手の「今」を認めることができない人とはお付き合いする価値は高くないと思います。ここでいう「今」とは、相手の仕事を含めた現在の状況です。それを認めることが出来ない人に合わせるべく、無理に自分を変えても、いずれ破綻する可能性が高いということになります。

 ここで考えたいのは、自分の「今」を貫く強さはどこから生まれてくるのかということです。

経営理念の重要性

 なぜ自店はその営業時間なのか、なぜ自店はその定休日なのか。そのような問いに答えることの出来ないロードサイド店舗は多いという印象があります。逆に、それに明確な妥当性があり、自店の存在意義を販売員が認識していれば、自分の「今」を認めてくれない相手とはお付き合いするべきではないと判断できるでしょう。

 それでも、どうしてもその人とお付き合いしたいということであれば、人には職業選択の自由という権利がありますから、転職も致し方ありません。ですが、中長期的に見て、ハッピーになる可能性は高いとは言えないのではないでしょうか。

 ゴールデンウイーク中も仕事をしている販売員の恋愛への心構えとして、相手に振り回されず、自分の「今」を認めてくれる人を大事にすることが重要と考えます。そのためにも、ロードサイド店舗の経営者・店長は、明確な妥当性を持った自店の営業時間・定休日を設定する必要があります。

 そのためには「なぜ自店は存在するのか」という問いに答えることができなければならず、その答えは、経営理念によって表されます。自店の存在意義を認識している企業には強さが感じられます。経営理念を策定し、それに基づく営業時間・定休日であることを販売員と共有することにより、販売員も今以上に強くなることが可能と考えますが、いかがでしょうか。

経営理念に関する参考コラム

 ■ガソリンスタンドが従業員満足の向上に取り組むべき理由とは
 ■経営理念の浸透が現場にもたらした効果
 ■経営理念が意味するもの

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