「忘年会をする」経営者がとるべき「忘年会スルー」社員への対応

人材

 忘年会シーズンたけなわですが、ある製造業で忘年会の幹事を任された入社1年目の社員が、先輩のフォローもなく、店舗選びから当日の運営準備まで孤軍奮闘し、最終的に嫌気を感じて退職してしまったことが話題になっています。また、退職せずとも、忘年会への出席を見送る「忘年会スルー」もトレンドワードとなっています。 

 忘年会はじめ、お花見、社内旅行、運動会などの社内行事は、若手社員に敬遠されるようになりました。今回のコラムでは、経営者としてこれをどう捉え、どのような対策をとるべきかを見ていきます。

高度成長期とバブル崩壊

 かつて日本には高度成長期がありました。これは1954年から1973年とされ、製造業は製品を作れば売れた、小売業は商品を置けば売れた時代です。会社は、終身雇用制度、寮・社宅を準備し、忘年会はじめ前述の行事により、社内の一体感を高めました。

 この日本的経営に対して、社員は身を粉にして会社に尽くしました。ひとつの会社に長く勤務すれば、給料が上がり、ポストが用意され、明るい未来が約束されていたからです。そのため、社内行事にも積極的に参加し、仕事を教えてくれない先輩の仕事ぶりを見て、仕事のやり方を盗んで育ってきました。

 このような働き方をしてきた父親を見てきた世代は、ひとつの会社に長く在籍することにメリットがあるという価値観を持っていました。しかし、その後にバブル崩壊が訪れます。

日本的経営の崩壊

 バブル崩壊の時代に働いた世代は、会社に長く在籍しようとしてもリストラという名のもと転職を余儀なくされたり、転職せずとも昇進・昇給の凍結、ボーナスのカットなどを経験したりしました。

 バブル崩壊の中、働く父親を見てきた世代が今、若手社員として働いているわけです。彼らは、ひとつの会社に長く在籍するメリットは大きくないという価値観を持っています。よって、忘年会をはじめとした社内行事に参加する意義も見出せません。よって、忘年会の幹事を投げだしたり、忘年会を簡単に欠席する「忘年会スルー」が発生します。

 とはいえ、経営者としては、社内の一体感を高めていく必要があります。そのためにはどうすればよいのでしょうか。

社員への甘え

 首都圏に複数店舗を展開する、あるガソリンスタンド運営会社では、年1回義務付けられている健康診断は、社員の休日を使って社員自身が健診センターに行って受診するべき、という不文律がありました。また、会社が指定した社外研修の受講も、会議の出席も同様でした。

 これに対して傘下ガソリンスタンドの、ある店長は健診を受けさせるのは会社の義務であるから、社員の休日を潰させるのはおかしい話だという認識から、健診だけでなく、研修、会議はすべて出勤扱いに変えたところ、部下のモチベーションが高まり、研修の受講態度や会議での発言が積極的なものとなり、業績向上に繋がったという事例があります。

 このように、忘年会はじめ、各種社内行事の出席が会社にとって欠かせないのであれば、出勤扱いにする必要はないでしょうか。夜遅くなったら残業代も支給する必要はないでしょうか。

 そもそも、忘年会は給与の支払い対象ではないという扱いですから、スルーされて当然です。社内の一体感が高まれば業績は向上する可能性が高まりますから、そのための取組みである忘年会は、業務と見なされるべきではないでしょうか。これが出来ないのは、会社の社員に対する甘えです。

 明るい未来が保証されている時代は、社員はそのような会社の甘えを受け入れることができました。それによるメリットがあったからです。ですが、今の時代はそれが通じないことを理解した上で、社内の一体感を高めていく取組みを検討する必要があるでしょう。

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