フルサービスのガソリンスタンドが油外収益で儲かる仕組みとは

戦略の考え方

大浴場を備えたビジネスホテルの効果と効率

 私は、出張でビジネスホテルに宿泊する機会が多いのですが、昨今の傾向として、部屋にユニットバスがあるにも関わらず、大浴場を備えたビジネスホテルが増加した印象があります。
 移動や仕事で疲れた体を大浴場で洗い、広い湯船に浸かっていると疲れが取れやすく、この大浴場は顧客サービスの一環として備えられたもの、という見方ができます。つまり、大浴場の設置は、顧客へメリットを与え、そのホテルへの来館促進を図る目的があるものと考えられます。これは、効果に着目した考え方です。

 これに対して、効率に着目すると、どのようなことが考えられるでしょうか。仮にユニットバス付きの客室が100室、大浴場もあるホテルがあったとします。このホテルでは、1つの部屋を清掃する際に20分かかっていたとします。

 100組の顧客がそのホテルに泊まっていたとして、そのうち半数の顧客が大浴場を利用したとします。よって、大浴場を利用した顧客が宿泊した部屋のユニットバスは基本的には使われません。これにより、1つの部屋を清掃する時間が5分短縮できたとすると、50室×5分で1日250分、4時間超の時間短縮が可能となります。
 大浴場の清掃に1日1時間かけたとしても、3時間超の時間が浮きますから、1日3時間超の人件費削減、もしくは、清掃以外の仕事に3時間超を充てることが可能になります。これを長期的に考えると大浴場の投資を補って余りあるようになります。

油外商品を販売する時間を捻出する

 フルサービスのガソリンスタンドは、店舗スタッフがガソリンを給油します。給油ノズルが給油口からタンクに差し込まれ、トリガーもしくはレバーを引くとノズルからガソリンの吐出が始まり、その液面がタンク内で上昇し、一定以上上昇すると、オートストップ機能が働き、ガソリンの吐出は止まります。これで一般的には、ほとんど満タンになっているはずです。

 ですが、その液面は、ビールのように泡立って上がってくるので、その泡が引くのを待って、店舗スタッフは継ぎ足し給油をします。もしくは、タンク内のエアーが抜けて、液面が下がるため、継ぎ足し給油をします。
 この継ぎ足し給油で、追加されるガソリンの量はごく僅かです。そのごく僅かなガソリンの販売をするために、店舗スタッフは1台に数分間の時間を追加して継ぎ足し給油をしているのです。

 仮に1日の販売量が5㎘のガソリンスタンドがあったとします。1台あたり平均給油量が20ℓの場合は、1日の来店客は250台となります。この250台に対して継ぎ足し給油のための時間を3分間使っていたとすると、250台×3分で750分、スタッフ全員で1日12.5時間を費やしていることとなります。このことは、継ぎ足し給油を止めることにより、1日12.5時間を油外商品の販売に充てることが可能になるとも捉えられます。

継ぎ足し給油を止めるには

 継ぎ足し給油を行うことは、ガソリンを溢れさせるリスクが高まり、溢れさせた場合は、顧客は不満を抱きます。車両がガソリンで汚れますし、溢れさせた分も含めて請求されるからです。

 反面、継ぎ足し給油を行うことで、給油量の増加が見込めます。ただし、継ぎ足し給油を行うことにより、1台3ℓ多く給油出来たとしても、その利益は1日250台の来店があった場合で750ℓ、マージンが15円として11,250円です。タイヤ交換1台分、オイル交換3台分程度の利益です。
 ガソリンは集客のための商品と位置づけ、油外商品で収益を得ていくことが多くのガソリンスタンドの方針でしょうから、この場合、継ぎ足し給油を止めて油外商品の販売に注力し、タイヤ交換1台分、オイル交換3台分以上の油外商品の販売を目指すべきでしょう。

 ここで、継ぎ足し給油をしないと顧客に告知をする必要があります。この場合、「当店の満タン給油は、原則としてオートストップが利いた時点で給油完了とさせていただきます。継ぎ足し給油をご希望なさるお客様はお申し付け下さい」といった内容と油外商品の告知をチラシに印刷し、給油開始後にハンドアウトするとよいでしょう。
 車両によっては、ガソリンタンク内のエアーが抜けにくく、オートストップ機能が働いても半分ほどしか給油されていない場合や、顧客によっては給油口の縁ギリギリまでの給油を望む場合があるからです。

 このように、フルサービスのガソリンスタンドが油外収益で儲かる仕組みの1つとして、油外商品を販売する時間を確保するために継ぎ足し給油を止める、という点が挙げられると思いますが、いかがでしょうか。

ガソリンスタンドの効率化に関する参考コラム

 ■儲かるロードサイド店の顧客管理
 ■生き残りをかけたガソリンスタンドが実施するレジ作業の効率化
 ■人手不足のガソリンスタンドが洗車で儲けるオペレーションとは

メルマガ会員様募集中

 メルマガ会員様には、リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開のコラム】や、当サイトに掲載したコラムの【解説動画URL】を優先的に配信しています。
登録はこちらから
↓↓↓

ロードサイド経営研究所メールマガジン登録フォーム(無料)

電子書籍のご案内

 1年で70人のアルバイトに辞められたガソリンスタンド店長が人材に全く困らなくなった理由:育成編~人材が育つ職場と人材に見放される職場の境界線~
2020年3月15日発行 定価1,055円

タイトルとURLをコピーしました