小規模事業者持続化補助金に採択!テイクアウトカフェの事例③

小規模事業者持続化補助金

 補助金に採択されるには、補助金を使って顧客ニーズに応え、事業を大きくしていく計画を策定する必要があります。そこで、顧客ニーズを正確にとらえることが重要なのですが、このニーズは、一般論ではなく自店に対するニーズであることが重要です。

 テイクアウトを強化しようとしたカフェの経営者はどのようにして採択されるレベルの計画書を作り上げたのか、そのプロセスをご紹介するシリーズ3回目は、様式2-1<経営計画>の「2.顧客ニーズと市場の動向」の中の「顧客ニーズ」に焦点を当てて見ていきます。

まずは抜き出す


 まず、同店の経営者が思いつくまま、ランダムに書いてこられた「2.顧客ニーズと市場の動向」の内容のうち、【顧客ニーズ】に関することを抜き出すと、以下の結果となりました。

 ①新鮮で安心、体に優しい食材が喜ばれる。
 ②無農薬で地元の新鮮な旬の野菜やフルーツ、作り手の顔が見える食材、グルテンフリ ー、発酵食品、カフェインレス、ハーブティーなどに興味・関心を持っている。
 ③特に観光客は地元の食材に興味を示す場合が多い。
 ④値が張っても体に良いものや価値があるもの、お得で美味しいものが求められる。
 ⑤安心感と居心地の良さを求めるものの、気を遣わずにコーヒー1杯を短時間で済ませたいというニーズも増えている。
 
 次にこれらを深掘りをしていくこととなります。

顧客ニーズの切り口とは


 【顧客ニーズ】は、品質・価格・納期の3点に集約されます。横文字にするとQuality、Cost、Delivery、略してQCDと呼ばれ、平たく表現すると「美味い・安い・早い」ということです。

 上述のグルーピングから「品質:Quality」に関連する内容は①~③、「価格:Cost」に関連する内容は④、「納期:Delivery」に関する内容は⑤となります。

 当コラムでは【顧客ニーズ】を「同店を利用することで達成したい顧客の目的」と定義していますが、QCDとこの定義に則って【顧客ニーズ】をまとめると以下になります。

同店が記載するべき【顧客ニーズ】


 (1)品質に関するニーズ
 地元の顧客は、食を通じて健康を維持したり、癒しを得たりしたいというニーズがあり、当店に対し、無農薬、新鮮、作り手の顔が見える、グルテンフリー、発酵食品、カフェインレスといった食材を使用した料理の他、ハーブティーを求める傾向がある。
 観光客は、食を通じた希少な体験をしたいというニーズがあり、当店に対して当地ならではの食材を使用した料理を求める傾向がある。

 (2)価格に関するニーズ
 当店に対し、上記の品質がもたらす価値が価格以上であれば、他店のものより値が張っても是非味わいたいというニーズがある。特に観光客にその傾向が強い。

 (3)提供のスピードに関するニーズ
 当店に対し、店内にいる他の顧客に気を遣わず、コーヒー1杯程度の飲食を短時間で済ませたいというニーズがある。

 これらのポイントは、一般論ではなく、「当店に対する」ニーズを列挙するということです。そしてこのニーズを満たすために補助金を使った事業展開をすることとなります。

 ご商売をしている以上「美味い・安い・早い」が求められるのは当然のことです。それを自店に置き換え、より具体的にするとともに、顧客が真に求めていることは何なのかを検討することで、本当の顧客ニーズをつかむことができ、それに応えることができるでしょう。

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