ある高校生の言動から儲かるガソリンスタンドを考える

経営の姿勢

 弊社が所在する埼玉県川越市から約4時間、富山県射水市でセミナーに登壇しました。当地にご縁のない方のために、日本のどの辺が富山県なのか、富山県のどの辺が射水市なのかイメージが湧くように地図を貼っておきます。

 今回の登壇テーマは「経営革新」。新たな取組みを通じて経営に革新を起こそうというセミナーです。このセミナーの主催者様からは、予め受講者名簿をいただいておりました。

 この名簿に並ぶ幾多の経営者の中に、高校生が1名含まれていました。これまで10年以上にわたって各地の商工団体で登壇してきましたが、私のセミナーを高校生が受講するのは初めてです。今回のコラムでは、この高校生の言動から、儲かるガソリンスタンドについて考えていきます。

受講した理由

 現地で登壇して私はすぐに気付きました。受講者のほとんどが経営者の中、高校生の彼の存在は講師の私から見ると際立っています。当然、見た目が若いというのもありますが、もう、私がする話の何もかもが新鮮!という感じでリアクションが大きい。

 ちなみに、登壇後に現地の居酒屋で食べた新鮮なお刺身がこれです。私にとってはこのお刺身の何もかもが新鮮!でした。

 それはさておき、登壇後に私は高校生の彼に歩み寄り、なぜ受講することにしたのかを訊いてみました。その答えは

 「生の魚が食べたくて参加しました」

 であるはずはなく、

 「生の中小企業診断士に触れたいと思って参加しました」

 というものでした。ちなみに私は生の中小企業診断士ですが、お魚ではありませんので。では、なぜ彼は生ものに触れたかったんでしょうか。

中小企業診断士になりたい

 彼は現在高校3年生。進学する大学は決まっていて、経営学部に在籍する予定です。そして国が認めた経営コンサルタントである中小企業診断士になるという目標があります。診断士になるための勉強は、書籍やネット、大学で実施することができます。

 そして、生の中小企業診断士に触れることは、具体的な診断士像がわかり、イメージが湧くため、夢の実現に重要だと考えていましたが、診断士と会える機会がなかなかない。そんな中、今回のセミナー案内が掲載されていた市報を母親から見せられ、受講を決めた、というものでした。

 ここで大事なのは、生の目指す姿に触れるということは、目指す姿をリアルにイメージできるということです。目指す姿をリアルにイメージできれば、目指す姿に近づく可能性が高まります。これをガソリンスタンドに置き換えてみます。

イメージの重要性

 儲からないガソリンスタンドが、儲かるガソリンスタンドになるには、儲かっているガソリンスタンドに生で触れる必要があります。それをしないと、儲かった状態をリアルにイメージできないからです。

 私は、21年間ガソリンスタンドの現場に身を置いた経験から、強く実感していますが、儲からないガソリンスタンドの店長や管理職・経営陣は、自分の無能さを痛感したくないからなのか、儲かっているガソリンスタンドを見に行きたがりません。

 仮に儲かっているガソリンスタンドを見に行ったとしても「別に得るものはなかった」と言う場合がほとんどです。学ぶ姿勢を失った方に、成長の余地はほとんどありません。

 私たちは、幼少の頃、見るもの触るもの聞くもの全てが新鮮だったはずです。それが人生経験を重ねるにつれ、様々なものを見て触れて聞いてきて、そんなこと分かりきっているという心境を抱くようになっていないでしょうか。分かりきったことから学べることはないのでしょうか。

 繰り返しになりますが、大事なことなので繰り返します。目指す姿に生で触れることは、目指す姿がリアルにイメージできます。

 だから、儲かっているガソリンスタンドの店長、管理職、経営者は、学ぶ姿勢を持って儲かるガソリンスタンドを見に行って下さい。それだけではなく、異業種で儲かっている店舗も見に行って学んで下さい。

 はー、日本海の漁港でとれたお魚のお刺身、また食べたい。

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