小規模事業者持続化補助金に採択された鍼灸院の申請書作成事例②

小規模事業者持続化補助金

 同院は地方都市に立地する鍼灸院であり、院長の他に受付スタッフが2名在籍しており、業績は上昇傾向でした。院長はさらに業績を向上させようと、介護予防を目的としたトレーニングマシンの導入を検討しており、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することとしました。

 そこで同院が作成した計画書を弊社がブラッシュアップする形でご支援し、同院は採択されたわけですが、当コラムではどのようにしてブラッシュアップをしていったのか、そのプロセスをご紹介していきます。

 下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画> 「2.顧客ニーズと市場の動向」を見ていきます。

1. 「顧客ニーズと市場の動向」の書き方

 予め同院が当欄に記載されてきた内容を拝見すると【顧客ニーズ】【市場の動向】と見出しが設けられ、「顧客ニーズと市場の動向」をしっかり切り分けて記載されていました。これをブラッシュアップしていったポイントは以下の通りです。

(1)「顧客ニーズ」を定義する

 同院は【顧客ニーズ】として「当院の見た目が堅いイメージで入りにくい」、「もっと早くくればよかった」、「最初に入るときには勇気が必要だった」という「顧客の声」を記載していました。

 ですが、【顧客ニーズ】と「顧客の声」は別の話です。弊社では【顧客ニーズ】を「自社を利用して達成したい顧客の目的」と定義していますが、「顧客の声」から推測される【顧客ニーズ】を意識していただき、書き直していただきました。

 例えば「当院の見た目が堅いイメージで入りにくい」という「顧客の声」から推測される【顧客ニーズ】は「院長の人となりが来院せずとも把握できるニーズ」、「院内の様子が把握できるニーズ」があると推測されます。

 表層的な「顧客の声」に応えるものではなく、その裏にある【顧客ニーズ】に応えることで顧客の支持を得ることができます。顧客の求めるものを提供するのではなく、顧客のためになるものを提供する必要があるということです。そして、その【顧客ニーズ】に応えるために補助事業を実施していくというストーリーを踏まえて計画書を作っていきます。

(2)具体的な競合動向を記載する

 同院は【市場の動向】として、○○年開院時には、管轄の△△保健所の整骨院登録数は当院含め□軒だったが、●●年現在は■■軒と約★割増加しており、競争は激化しているという内容を記載していました。

 この説得力を高めるためには、より具体的な記述が必要です。そこで、競合院の名称・住所・当院からの距離・特徴を一覧表にして盛り込んでいただきました。これは、次回見ていく「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」の説得力を向上させるのに役立ちます。

 強みは競合と比較して優れているからこそ強みと言えますから、比較対象である競合の状況を具体的に記載することで説得力が向上するからです。

(3)裏付けを記載する

 また、同院は【市場の動向】として、◎◎市の人口は減少しているが、高齢化比率は上昇 しており、高齢者は増加しているという内容も盛り込んでいました。このような商圏人口の情報は、当該市役所のホームページの他に、ビッグデータを活用して地域毎の人口動向を把握できるRESAS (リーサス)から得られる統計データを用いることができます。

 このような統計データは具体的な数値を掲載できますので、【市場の動向】の説得力を向上させる効果が期待できます。

 このようにして「2.顧客ニーズと市場の動向」のブラッシュアップをしていただきましたが、次回のコラムでは「3.自社や自社提供する商品・サービスの強み」を見ていきます。

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします

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