小規模事業者持続化補助金で店舗改装をした飲食店の事例④

小規模事業者持続化補助金

 同店は、従業員4人、和食・洋食どちらにも対応する郊外型レストランです。売上の約5割を土日祭日に訪れる家族連れやレジャー客がもたらしていますが、より快適な店内空間を提供するために、既存の椅子を撤去、幅広のソファータイプの座席(ベンチシート)を導入し、併せて広告宣伝を強化することにしました。

 これら費用の一部を小規模事業者持続化補助金で調達することとした同店は、経営者が応募用の計画書を作成しましたが、弊社はそれをブラッシュアップする形でご支援し、結果として採択されました。

 下図は応募時に作成する書類ですが、今回のコラムでは赤枠部分、様式2-1 経営計画書兼補助事業計画書① <経営計画> 「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。

1.「経営方針・目標と今後のプラン」の書き方

 同店が事前に書かれてきた内容を拝見すると、同欄のタイトルを素直に反映させた【経営方針】【目標】【今後のプラン】という見出しが設けられており、これは非常に良いと思いました。その内容をブラッシュアップしていったポイントは以下となります。

(1)他の欄との整合性を意識する

 同社はいくつかの【経営方針】を記載していましたが、その中に女性客や高齢者のニーズに応えて行く、というものがありました。顧客ニーズに関しては、前々回のコラムで見たように「2.顧客ニーズと市場の動向」欄に記載するわけですが、そこには女性客や高齢者のニーズに関する記載はありませんでした。

 応えるべきニーズが記載されていないということは、そのニーズを把握していないとも捉えることができ、経営方針の有効性に疑問を抱かれるリスクが高まってしまいます。そこで、それらを記載していただいたわけですが、この点に限らず、計画書全体の整合性に意識を向ける必要があります。

(2)目標と手段を切り分ける

 同店が記載してきた【目標】は以下の内容となっていました。

  • 地域の幅広いお客様に愛されるお店にしていく。
  • 10年後の売上高目標は現状の30%アップ。
  • 従業員一人一人の福利厚生など待遇面の充実を図る。
  • 「○○料理」や「◎◎丼」の新たな味付けを考案する。
  • 家族イベントができるスペースとしてベンチシートを設置・整備する。
  • 新聞折込みチラシを20㎞圏内の全家庭に配布する。
  • ホームページで広報活動を実施する。

 これらを見ると①②は目標ですが、③~⑦はそれを達成するための手段と考えられます。特に⑤~⑦は補助事業の内容となっています。そこで【目標】として①②のみを記載していただき、③~⑦は【今後のプラン】へ、さらに⑤~⑦はその詳細を補助事業計画書に記載していただきました。

(3)3~5年のプランを作成する

 同店は【今後のプラン】として、採択後から数ヶ月間のプランを記載していましたが、その内容は、補助金を使って実施する事項が主に記載されており、それは次回以降のコラムで見て行く<補助事業計画>に記載するべきものでした。

 【今後のプラン】は補助事業計画で実施する内容も含めた自店の全体計画であり、最低でも3年程度の計画をお勧めしています。よって横軸に時間をとり、縦軸に「人」「物」「金」「情報」といった経営資源を充実させるための行動を列挙していただき、いつ何を行うのかが分かるようにしていただきました。

 このようにして、「4.経営方針・目標と今後のプラン」をブラッシュアップしていきましたが、次回のコラムでは<補助事業計画> Ⅰ.補助事業の内容 「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見て行きます。

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