持続化補助金【低感染リスク型】に採択されなかった整体院の事例①

小規模事業者持続化補助金

 同院は、大都市圏に立地する整体院ですが、新型コロナウイルス感染症の拡がりを受け、今後の事業展開に大きな不安を覚えるようになりました。

 そこで新規にホームページを立上げてマーケティングを強化しようと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】で調達することとし、計画書を作成して応募しましたが、結果は残念ながら不採択というものでした。

 そこで当コラムでは、同院が応募時に作成した計画書の内容から、不採択になった理由を検証し、採択される計画書を作成するヒントを見出していきます。

 以下は、当補助金応募時に作成する「様式1」の構成ですが、今回は赤枠部分<補助事業計画>「1.自社の事業概要」を見ていきます。なお、当コラムの内容は2021年11月25日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金【低感染リスク型】で採択されなかった理由

(1)外部環境が分析されていない

 当補助金の計画書フォーマットのうち「1.自社の事業概要」欄には、以下の記述があります。

 自社の概要や経営状況、課題、特徴、自らが製造・販売・提供している商品・サービスの内容や市場動向等について記載してください

 このように当欄には市場動向等という外部環境に関する記載が求められています。また、応募時のルールブックである公募要領の「審査の観点」には以下の記述があります。

 上図の下線部分にあるように、当補助金では自社の経営状況に関する分析の妥当性が求められています。よって、内部環境だけでなく、市場の動向といった外部環境の分析も必要であり、具体的には、顧客ニーズ、商圏人口、市場規模、競合動向などを把握し、記述することが望ましいと考えられます。

 同院の場合は、これら外部環境に関する記述が一切なかったことが、不採択という結果を招いてしまった可能性があります。

(2)今後の戦略が立案されていない

 前述した当欄の但し書きの続きには、 また、自社の経営方針・目標等についても記載してください。という記載もあり、今後の戦略に関する記載も求められています。また、応募時のルールブックである公募要領の「審査の観点」には以下の記述があります。

 上図の下線部分にあるように、当補助金では経営方針・目標と今後のプランの適切性が求められています。よって、現在のことだけでなく、今後どのように事業展開をしていくつもりなのかという視点が求められています。

 同院の場合、自院の特徴と課題を記載したのみで、今後の戦略に関する内容の記載がなかったことも、不採択という結果を引き寄せた要因のひとつと考えられます。

(3)ホームページのコピペが多い

 当計画書の読み手は事務局や審査員ですので、その方に自院の内容を理解していただくことを主眼に計画書を記載する必要があります。ですが、同院の場合は顧客へのPRを主眼とした文章が多い印象を受けました。

 そのことから考えられるのは、既存ホームページからのコピーアンドペーストです。このやり方で「1.自社の事業概要」をまとめようとする事業者は、ことのほか多い印象がありますが、読み手は様々な応募者の計画書を見てきているわけで、そのあたりの嗅覚は非常に鋭いと言えます。

 ホームページのコピペは、いかにも計画書の作成に手を抜いた印象を与えてしまい、このことも同院が不採択という結果を引き寄せてしまった要因のひとつと考えられます。

 今回のコラムでは、小規模事業者持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】の計画書<経営計画>「1.自社の事業概要」から、同院が不採択を引き寄せた想定理由として、(1)外部環境が分析されていない、(2)今後の戦略が立案されていない、(3)ホームページのコピペが多い、を挙げました。次回は、今回に引き続き「2.新型コロナウイルス感染症の影響・既に取り組んでいる対策」を見ていきます。

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