持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択!衣料品店の事例②

小規模事業者持続化補助金

 同店は写真スタジオ併設の古着販売店を営んでおり、スタイリストのアドバイスによるコーディネートを施した顧客自身の姿を写真スタジオで撮影することができます。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、3密回避のために撮影会などのイベントを自粛せざるを得なくなるとともに、外出自粛でアパレルの需要が低下したことにより、業績が悪化してしまいました。

 そこで、3密を避けるためにセルフ撮影ができる機器を導入するとともに、それを含めた同店の取組みをインターネットで広く訴求するための費用を小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>で調達することとし、計画書を作成して申請をした結果、採択されました。

 当コラムでは、同店が作成した計画書の内容から、採択を引き寄せる計画書の書き方を見ていきます。下図は当補助金を申請する際に作成する「【様式1】経営計画および補助事業計画」の構成ですが、今回のコラムでは前回のコラムに引き続き、赤枠部分<経営計画>「1.自社の事業概要」の書き方について見ていきます。なお、当コラムの内容は2022年2月28日時点の情報に基づいています。

1.持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [自社の事業概要の書き方編part2]

 前回のコラム持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択!衣料品店の事例①で示した下図は<経営計画>「1.自社の事業概要」欄に記載するべき項目と言えますが、今回のコラムではこれら項目のうち、記載が漏れてしまった項目をどのように記載するべきだったのかを見ていきます。なお、文中の太文字は下図で示した項目になります。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [自社の事業概要の書き方編part2](1)経営状況を数値で述べる

 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>のホームページからは「【様式1】経営計画および補助事業計画」の記入サンプルを見ることができますが、今回見ている<経営計画>「1.自社の事業概要」欄には、サンプルとして以下の表が盛り込まれています。

 自社の経営状況を示す場合は、このように数字を用いることにより、読み手に具体的な状況を訴求しやすくなります。また、小規模事業者持続化補助金<一般型>の記入例には以下の表が掲載されており、これらを活用することも一考でしょう。

 同店は、経営状況をこのように数値を活用して訴求しておらず、これを行うことでさらに採択の可能性が高まったと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [自社の事業概要の書き方編part2](2)「課題」の意味を掴む

 当欄には自社が抱える課題の記載が求められていますが、同店はその記載がありませんでした。課題とは、目標と現状とのギャップを埋めるために起こす具体的なアクションですが、それは経営方針に基づくものであり、そのアクションにより目標達成が期待できるものである必要があります。

 つまり、課題を記載するには、課題という言葉の意味を把握するとともに、経営方針を明確にし、目標を設定する必要があります。同店は、目標の記載がなかったため課題の書きようがなかったわけですが、そもそも課題という言葉の意味を理解していなかった可能性があり、この対応をしっかり行っていれば、採択の可能性は高まったと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [自社の事業概要の書き方編part2](3)競合の動向を記載する

 同店は、自店の特徴として、提供している商品・サービスの強みを記載しており、求められている内容に応えていたと言えますが、この「強み」は、当然のことながら競合他社よりも優れている経営資源のはずであり、競合より劣っているならば「弱み」になります。

 よって、比較対象となる競合他社の社名・住所・URL・自店から見た同社の特徴などを記載することによって、記載した「強み」の説得力が向上するはずです。同店はこの記載がありませんでしたが、これを盛り込むことによって、採択の可能性が高まったと考えられます。

持続化補助金<低感染リスク型>に採択された衣料品店の事例 [自社の事業概要の書き方編part2](4)顧客ニーズを記載する

 当欄には、顧客の動向に関する内容も求められていると判断できますが、同店はこの記載がありませんでした。なお、顧客の動向として記載したいのは顧客ニーズです。

 顧客ニーズを弊社では「顧客が当社を利用することによって達成したい目的」と定義していますが、これを把握しているからこそ、顧客の支持を得ることができ、事業拡大がなされるはずです。

 そして、顧客ニーズを把握していることを訴求するには、当欄にそれを記載する必要があり、同店がこれを盛り込んでいれば、採択される可能性はより高まったと考えられます。

 今回のコラムでは、持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>に採択された衣料品店の<経営計画>「1.自社の事業概要」から、採択を引き寄せる書き方として(1)経営状況を数値で述べる、(2)「課題」の意味を掴む、(3)競合の動向を記載する、(4)顧客ニーズを記載する、を述べました。

 次回は<経営計画>「2.新型コロナウイルスの影響・既に取り組んでいる対策」欄の書き方を見ていきます。なお、同店を採り上げた前回のコラムは以下となります。

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